教育

新型コロナによる学校再開後に学校が本当にすべきことは何か?

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学校が突然休校になった今、子どもたちからは「何をしたらいいかわからない」「やることなくてヒマー」という声が聞こえてきます。
せっかく学校が休みになたのに、「自分のすきなことができる」「これまでできなかったことができる」「やりたいことが時間に関係なくできる」と喜んでいる子どもがいない。
学校に強制されないで自由に好きなことができて、子どもは喜ぶはずなのですが、そうではない。
その理由は何か?
それは、これまで学校や親から教材を用意されて、指示がなければ何もできない子どもに育ててきた結果だといえます。こんなに自由な時間ができたのに、何もすることがない、することが分からない、いかに受動的な子どもを増やしてきたかということがハッキリしました。
学習指導要領の柱は「考える力を育てる」でしたが、それとは程遠い子どもを増やした結果に終わっていたのです。
なんとも情けない状態なんだと思います。
新学習指導要領でめざすことは「主体的・対話的で深い学び」、児童生徒の実態は?
新学習指導要領の柱「考える力を育てる」ために最も必要なこと

オンライン授業を一斉配信して学び方は身につくのか?


今、オンライン授業どうのこうの、学力格差どうのこうのって話が出ていますが、それは、今までの学校教育で「学ぶ力」を育ててこなかったからです。そもそも「勉強ってつまんないよね。だからやるのはたいぎい」っていうのがほとんどの子どもの意識じゃないかと思います。
だから、オンライン授業をしたら学力が上がって、しないと学力が下がる、だから学力格差がどうのという論理もおかしいと思います。
学校に行けば学力が伸びて、行かないと伸びないという論理もおかしい。
一体何をめざしてオンライン授業をしようとしているのでしょうか?
学力格差も今に始まったことではありません。
そもそも学力とは何か?
基礎学力とは何か?学校の勉強ができることではありません。
日本の学校制度では基本的な知識すら身につけられないまま次の学年、次の学校に送っているのです。一律一斉授業によって、学校教育によってどんどん児童生徒の学力を落ちこぼしいるのです。学び方が分からない、課題の見つけ方も解決の方法も身についていない。だから、「やることが分からない」という子どもが増えているのです。
まずは、その反省をすることから始めるべきです。
この度の休校によって「家の中に学校の教室を作る」動きが加速しています。学校と家とをオンラインでつなぐ取り組みで家を「教室」にしようとしています。今全国に拡がっている「オンライン授業競争」は、旧態依然とした学校システムをオンライン上に再現するだけで止まっています。これでは勉強を強制しているだけで、全然興味も持てないし、面白くも楽しくもありません。
それは学びの本質からかけ離れているためです。これを続けてもますます勉強嫌いのこどもを増やすだけです。
だから、やるとしてもオンラインで学校と子どもたちをつなぐだけでいいです。授業を強制しない方がいいです。
今はそんなことよりも、学びとは何かを問われているのです。それを実行すべき時です。
オンライン学習の推進を否定はしませんが、その出来、不出来が比較され、それによってが学力格差をますます広げることになります。
第二、第三の学校や教室を作るだけでは多様な学び方は広がりません。
このままやっていると休校期間中に「勉強嫌いの子」が大量生産されると思います。
「オンライン上の教室」での一斉授業配信は「勉強嫌いの子」が大量生産される
しかし、この休校中の対応を見ていると、それでもまだ子どもたちに勉強することを強制しています。
学校も教育委員会も親たちも「勉強せえ、勉強せえ」と追い立てまくっています。それも一方的に同じことをさせようとしています。
それが、そもそもの大間違いであったことの反省はどこに消え去ったのでしょうか。
休校騒ぎで大人がよってたかってなにかをさせようとしていない?

子どもが家庭学習をしないのは学校教育が問題

そもそも、子どもが家庭学習をしないのではなく、これまでの学校教育によって、そうできないようにしているのです。
子どもが「自分自身で考え、学び、その楽しさを見つけ、自分で行動することができる」ようにしてこなかった。その結果なのです。
「やることが分からない」
「何を勉強したらいいか分からない」
「勉強の仕方が分からない」
それは、子どもたちに「学び方」を教えてこなかったことが原因なのです。一方的に知識を覚えこませることしかしてこなかった、自ら学ぶ方法を身につけさせてこなかったことが原因なのです。与えられた課題をひたすら教員の指示に従って進める仕方しか知らない、自ら課題を設定して解決する方法を身につけていないために、何をしたらいいか分からなくなるのは当たり前です。
これまでの学校教育の取り組みについてしっかりと反省すべきだと思います。
学校教育に携わっている者が、これまでいったい何をやってきたのでしょうか?
「課題を見つけることって面白い」「勉強するって楽しい」って感じていたら、勉強しようと思えばいくらでも学習教材はあるので、誰もが何も言わなくても勉強しますよ。
そう感じさせていない、これまでの学校教育の方がおかしいんだと思います。
そう感じさせるのが教員の「プロ」としての専門性なんじゃないかと思います。
だから、それを改善していかなければなりません。

本当に必要な教育とは何か、学校、教員の役目は何か

鳥取県や岩手県など、一部の地域では5月7日から学校が再開しました。
全国の学校が再開したとき、これまでの学習の遅れを取り戻さなければならないと考えて、ただ単に教科書の知識を詰め込むだけ、テストの点数をあげる方向に進まないようにしなければなりません。
これまでの反省に立って、子どもたちにとって本当に必要な教育とは何か、学校の役割とは、教員の役目は何かをしっかり考えていかなければなりません。
また元通りの一律一斉授業に返ってしまったのでは、学ぶ力が身につくはずがありません。
私は、学校を変えるより、学校みたいじゃない場をいっぱい作った方が早いと思います。子ども自身が自らの課題を見つけ、自分で解決するためには、今の日本の学校のようなシステムでは不可能です。それでは楽しく学ぶことは無理だといってもいいです。
そういう自由に学ぶことのできる場は全国にたくさんあります。それらを「学校」と同等な扱いにしたらいいです。授業料、出席の扱い、学割などなど、公的な義務教育で認められていることをそれらの学びの場も同じ扱いにしたらいいです。
自ら学び考える力を育てるためにも「学びの自由化改革」が必要です

自分で考え、学び、行動することができる子どもを育てるために

私は、学習指導要領が改訂されるたびに子どもが自ら学ぶ力生きる力が奪われているような気がします。
「生きる力を育てる」といいながら、生きる力を奪ってきました。「学ぶ力を育てる」といいながら、学び方を教えない、考えさせない、一方的な知識を詰め込むことばかりやってきたのです。
私の中学時代は枠の中にはめられているという感じではなく、みんな勝手に自由に動き学んでいたのです。
しかし、今の子どもたちが自分で考えない、自分で決められないのは、あれこれと与えられ指示されまくっているためです。どんどんやらされることは増え続け、考える余地もない、管理はますます厳しくなり自由な時間もない。このような状況で「自ら考える子ども」が育つはずがありません。
そうなったのは子どもたちのせいではなく、教育の在り方に問題があるためです。大人が子どもたちから考える自由、行動の自由を奪ってきたからです。その責任は大人の対応にあります。
いかに親や学校が子どもの考える力を奪っているか休校騒ぎで明らかになった
自分で考え、学び、行動することができる子どもたちを育てるために何をしなければならないのか。
これまで学校教育のやってきたことの検証、反省はどうか?
旧学習指導要領がめざしていたことは「生きる力」だったのですが、それが達成できていますか?
でも実際はどうでしょうか?子どもたちに「生きる力」は育っているでしょうか?
教員たちは生き生きと授業に臨んでいるでしょうか?
今年度から小学校で実施されている新学習指導要領がめざすことは「主体的に学ぶ」ですが、それを今目指してやっていますか?
新学習指導要領でめざすことは「主体的・対話的で深い学び」、児童生徒の実態は?

さて、この10年間で、学校現場において国や県が推進する「生きる力」は育てられたといえるでしょうか。
現状として学校においては、「いじめ認知41万件最多更新」対児童、対教師への「校内暴力」「体罰」など学校を取り巻く問題、そして「学校にNO!」といっている「不登校」の児童生徒はますます増加しています。しかも、その傾向は小学校低学年で顕著に増加しています。
この事実を見る限り、とても「豊かな人間性」が育っているとは思えません。
自ら学び考える力を育てるためにも「学びの自由化改革」が必要です。学校教育という「不自由な学び」から「自由な学び」「フリーエデュケーション」を進めていくべきだと思います。

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