暮らし

障害者と関わる場合に「失敗してはいけない」という遠慮もまた「障害」のひとつです

投稿日:

NHK発達障害プロジェクトの表題にある「誤解」という表現はちょっと違うと思います。
「誤解」ではなく「無理解」と言った方が近いと思います。
最近は障害の中でも特に発達障害がクローズアップされていますが、「普通であること」「みんなと同じであること」を求めているのは、障害者自身でもあると思います。
「普通でないこと」によって、障害者本人も劣等コンプレックスを増やし自尊心を失わせている。
それは、周囲の無理解や偏見などの社会的な障壁によって引き起こされている自己認知なのですが、やはり「発達障害」という言葉にもマイナスを生む大きな要因を含んでいると思います。
ただ、「発達障害」という「診断」を受けることでホッとするというのも確かにあると思います。しかし、「障害名」を知ることによってさらに自分を追い込む場合だってあります。
それは個々の受け止め方や意味づけによる「差」なのだとも思いますが、どうしてもネガティブに受け止める傾向が強いです。
実際に書類を出す窓口で「文字が書けないので、代わりに書いてください。」、よく聞けなかったので「もういちどゆっくり話してください。」とはなかなか言えません。
自分が「普通でない」と思っているのでは、「できないのは自分のせいだ」「頑張りが足りないからだ」と思ってしまうのも至極当たり前のことだと思います。
「できないこと」「書けないこと」を隠したい、他人に知られたくないという気持ちが出てくるのも当然のことだと思います。
それを正しく認識するためには、他者評価による自己認知を変える必要があります。
「普通」というあいまいなもの、存在しないものにみんなが支配されています。
「普通」を絶対神のように信仰していることに気づき、考え方を変えていく必要があります。
・障害は本人のあるのではなく周囲の環境にある
・個々の持っているのは障害ではなく「特性」であるという強く広い認識

さまざまな困難は環境を変えることで困難ではなくなります。
そのために、さまざまな「特性」を持った個がいろいろな方法で伝えています。
それは「特性」を持つ当事者にしかできないことであり分からないことです。
さらに、「発達障害」というカテゴリーに特化して考えるのではなく、「特性」に焦点を当てて見ていく必要があるのではないか、と最近特に感じ始めています。
障害があるからどうのというのではなく、目の前に困っている人がいる。そのとき何をしたらいいのか、何ができるのかということなんです。
その場ですぐにできることもあれば、準備が必要なこともあります。
法律で「合理的配慮が義務づけられた。」だから「配慮をしなければならない。」のではないのです。
「診断」を受けることは自分の特性を知るためのひとつの手段にすぎないのであり、暮らしや学習の具体的な場面で、「その困難」にどのように対応していくかの方が重要です。
そのためには、本人も周囲の者も不器用であってもお互いの関係作りや対応経験を積み重ねていく他ないのではないでしょうか。
障害者と関わる場合に緊張したり躊躇したり、下手な対応をしてはいけない、失敗してはいけないという「遠慮」もまた「障害」のひとつだといえるのではないでしょうか。
その意識を変えていくには、お互いがもっと気軽に関わり合える関係性を作っていくしかないのです。
くらしの中では、障害者が社会のあらゆる場面で差別されている事例は後を絶ちません。
就労における「障害者枠」自体が差別事例の一つではないでしょうか。
働き方においても障害に目を向けるのではなく、「その人」のできること、能力に目を向け「自分らしさ」が発揮できる場を作っていく必要があります。
まずは知ること、学びも大切ですが、身近なところでの具体的な行動にかかっていると思います。
それを知って、自分なら何をしていくか考え、具体的な行動にどう結び付けていくか、一人ひとりが自分の環境を変えていくこと、そしてそれをつなげて広げていくことによって社会を変えていくことができます。
思いではなく、具体的な行動によってしか差別意識をなくすことはできません。
NHK発達障害プロジェクト「みんな発達障害を誤解してます!」

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-暮らし

執筆者:

関連記事

市会議員候補者アンケートが薄すぎて、これでは有権者は何をやるか候補者の違いが分からない

今日の日本海新聞。 アンケートの設問が広すぎ、あいまい、抽象的で、候補者の回答も具体的でないので、有権者には誰が何をするのか分からない。 任期中に何をするか、その結果どうなったかが大事で、現職にはそれ …

「小学生暴力最多10年で6倍 感情抑えられない」って、子どもはたまったもんじゃない!

文部科学省が26日に結果を公表した2016年度の問題行動・不登校調査で「小学生暴力最多10年で6倍 感情抑えられず」とあります。 この結果を見て、「ああ、最近の子どもは大変だあ。」と思っている大人は多 …

この世に障害者という人種も健常者という人種もいない ただ個があるだけ

「ここでは障害者は特別扱いされません。給与形態も同じですし、自分のことは自分でやるのが基本。助けを求められないかぎり、障害者だからといって手を貸すことはまず、ないですね」 「この世に『障害者』という人 …

このどこがチャリティー番組なのでしょうか?

嵐5,000万円、森三中・大島1,000万円 24時間テレビの予算は総制作費が4億2000万円、CM収入合計が22億2750万円。 募金した人が、出演者のギャラを負担させられてる。 7月30日発売の「 …

みんなが幸せになる経済と社会のしくみを考えよう

私たちは皆、資本主義思想に洗脳されているので、膨大な量の無駄な仕事をさせられている。 資本主義やお金の奴隷となって苦役をさせられている。 生体社会となれば、私たちは無駄で非効率で嫌な労働から解放され、 …

スポンサーリンク

スポンサーリンク
21世紀の松下村塾 教育相談無料