社会問題

先生のいうことを聞かないで、山に逃げていればみんな助かったのに

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宮城県石巻市立大川小学校を巡る裁判で「教員は、子どもを守るために、事前の想定にとらわれず臨機応変に対応する責任がある。」と判決は指摘した。
「先生のいうことを聞かないで、山に逃げていればみんな助かったのに・・・」
残念で残念で、悔しくてなりません!
東日本大震災の津波で、児童74人と教職員10人が犠牲になった石巻市立大川小学校のことをもっと多くの人に知ってもらいたい。いや知るべきです。
以下、これまでの経緯をまとめたものです。

山だ! 山だ! 山に逃げろ

教務主任のA教諭(教職員として唯一の生存者)は、廊下から「校庭へ避難しろ」と叫んでいた。
A教諭は、校庭に出ると「山だ! 山だ! 山に逃げろ」と叫んだ。それを聞いて、山にダーッと登っていった子がいたが、教諭の誰かから「戻れ!」と怒られ、連れ戻された。
当時6年生の佐藤雄樹君と今野大輔君は「いつも、俺たち、(裏山へ)上がってっから」「地割れが起きる」「俺たち、ここにいたら死ぬべや」「先生なのに、なんでわからないんだ」と、くってかかっていたという。
2人も一旦校庭から裏山に駆けだしたが、戻れと言われて、校庭に引き返している。
教諭たちの間では、裏山に逃げるべきか、校庭にとどまるべきかで議論をしていた。
その間、子どもたちの列は崩れて丸くなり、「大丈夫だぞ」「こんなところで死んでたまるか」などと励まし合っていた。
結局、山に走って逃げたA教諭と3年生の男児、津波にのまれながら山に打ち上げられて地域住民に救助された1年生の女児の計5人が、津波からの生存者となった。

なぜ山に逃げなかったのか?大川小のずさんな安全管理体制が明らかに

大川小の教職員は、危険情報も得ていて、逃げる場所もすぐそこにあり、高台へ避難する時間も十分ありながら、なぜ校庭にとどまり続けたのか。その直接的な部分は追求できないないというより、各証言からはそっくり抜け落ち、未だに語る材料がそろえられていない。
教頭と教務主任という、学校現場の両責任者が、山に逃げようと主張していたにもかかわらず、なぜ行動に移せなかったのか。この点が、いまだに明らかにされずにいる。
子どもたちを預けている学校は、果たして本当に安全な場所といえるのか。遺族の母親の1人が「そこに子どもを預けていたと思うだけで、ゾッとする」と表現した通り、当時の大川小は、危機管理マニュアルの不備やずさんな安全管理体制が明らかになった。
この記述はマニュアルのひな形データのままであったと思われる。実際の地域環境に合わせてカスタマイズされていない、机上の空論のようなマニュアルだったのである。
さまざまな防災の計画が、平成21年度に柏葉照幸校長が同校に就任してからは立ち消えになってしまっていた。
遺族側は、2012年10月28日に7回目の保護者説明会で、独自の調査による避難に関する検証を示し、“極端な事なかれ主義”が蔓延し、影響したと考察した。
児童が教諭に向かって「山に逃げよう」と言っていたという児童たちの証言が、調書にはひとつもないのに、説明会での指導主事からの説明の中には出てくるという不審な点もある。
さらに、重要な資料を、長期間公表しなかったという問題もあった。
校長が、日頃の安全管理も含め、防災体制の内容をどこまで把握していたのか、疑問が膨らむ。この第三配備体制については、柏葉校長や市教委は、納得のいく説明を行っていない。

「想定外」という言い訳を聞くのは、もううんざり

学校で子どもの命を守るために何をすべきか。
今回の判決はそれを問い直す第一歩です。
これは、大川小学校の問題でも宮城県の問題でもありません。
倉吉で地震を経験して、自然災害に対する備え、命を守るとはどういうことなのか、現実問題として一層意識が高まっている今、すべての点検が必要です。
行政や学校任せにしないで、住民一人ひとりになにができるのか、体制作りはもちろん、「何を大切にすべきか」という「意識」を変えることが急務です。
防災対策委員会のメンバーにも一市民を加えることを提案します。
自然災害を防ぐことは不可能です。
しかし、それに対する備えをしておくことで、二次災害を防ぐことは可能です。
二次災害、人災は人間が起こしているのですから、それを止めることができるのも人間です。
「想定外」という言い訳を聞くのは、もううんざりです。
河北新報<学校と命>子どもを守る覚悟問う
「学校が子どもを守るのは当然、司法で確認したに過ぎない」
宮城・大川小判決 命を預かることの重さ
大川小児童の遺族が立ち上がってから4ヵ月、明らかになった真実、隠され続ける真相とは

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