新聞やテレビ報道などで伝えられていることは、倉吉の実際の状況の「一部の被害状況を切り取ったもの」です。なので、それを「倉吉の全体像」ととらえることは違います。
新聞の写真やテレビの映像を見ると、確かに酷い光景が映し出され、被害が拡大しどんどんひどくなるように妄想しがちですが、実際にはそれが倉吉全域に及んでいるわけではありません。
我が家に大きな被害が出なかったからそういう言い方ができるのかもしれませんが、その点を考えてメディア報道を見て判断していくことが重要です。
報道される側、被災地のど真ん中に住んでいて感じたことですが、メディアってこんなものなんでしょうね。
ニュース内容は今の現地には役に立たないことが多い
外部に流すニュースなどでは地震の様子やメカニズムなどを解説していますが、現場ではそんな情報はなんの役にも立たないのです。もっと細かい情報を早く知りたいのが現地のニーズなんです。
今日もまだ避難所にいる人もいますが、家の片づけに時間がかかり家の中に安全な居場所が確保できない人がほとんどで、ほぼライフラインも復旧して、ほとんどの商店や事業所も通常営業をしています。中部の温泉地もいつもと変わりません。
災害でイメージする光景とは全く違って、市民は普通の仕事とくらしをしています。いつもの月曜日が始まっただけなのです。
鳥取県中部地震の被害がこれほど少なかった理由
この度の震度6弱の地震で重軽傷者17名(うち軽傷者14名)、死者0人です。住宅被害も全壊3(これも無人の古民家と倉庫)約200棟は屋根瓦や壁などの多少の損傷はありますが、被害は最小限に留まりましたから安全な町だといえますね。
私の住んでいる地区では昼間滞在している地域住民の声掛けによる避難誘導もスムーズにできましたし、行政の対応も早く、工務店や保険会社の方もすぐに駆けつけてくださり迅速で丁寧でした。
何よりも地震直後でも町のスーパーや店舗もすぐに営業を再開できたことが生活の安心感にもなりました。
ライフラインの復旧も早かったので、電気も使え風呂にも入れましたので、しばらくの間は外に出ていましたが、夜は家の中でいつもの暮らしができました。本当に工事関係者の方々の誠心誠意の対応には感謝しています。
完全には予測ができない自然災害に対抗することは不可能ですから、問題は二次災害をいかに小さくするかです。
その点、金曜日の午後の地震発生で天候もよかったこと、土日の休みが家の片づけや整理に使えたし、日曜日の夜には家庭ごみも出せました。
なので地震発生4日後の月曜日には普段の仕事や生活と何ら変わらなかったのです。
もちろん、今も避難所生活の人がいたり農作物や飲食店などには地震の影響は出ていますが、進路が予測できて事前の備えができる台風以上に軽く済んだ、と私は思っています。
倉吉市民は安心して普段の暮らしをしています
余震が続いていること、次に大きな地震が起きるのが心配ではありますが、市民は平常通り仕事をして生活していますので大丈夫です。
これまでの災害から「被災地」というと悲惨な状況を想像してしまいますが、現場にいて多少の不便さはありますが、そんなに深刻ではないですから「風評被害」の方が心配です。
「風評被害」は自然災害ではなく人的災害ですから防ぐことは可能です。というか「風評被害」は起こさないことはできるのです。
メディアが正しい情報をきちんと伝えることで防ぐことができます。
新聞やテレビの報道も暗い面ばかりでなく、「災害に強い倉吉」「みんなが助け合って暮らしている幸せな倉吉」をもっと取り上げてほしいものです。
自分も発信する立場にいますので、そういうこともしっかり伝えていく必要があると思いますね。
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