これまでいじめ対策は個々の学校や教員個人の対応に任されていました。
その対応の仕方には、学校間の温度差、格差があります。
親身になってくれる教員や誠実に対応してくれる学校は、いじめ問題に真摯になって取り組んでいます。
しかし、いじめを隠蔽することを最優先位して責任の放棄をしている学校もあります。
そこで、すべての学校教職員にいじめ対応を徹底することを”義務付ける”ために、2013年に「いじめ防止対策推進法」が施行されました。
「いじめ防止対策推進法」施行されてから2年以上経過していますが、現場の教員や教育関係者はこの法律を読んだことがありますか?
各学校には「通達」は届いていますが、受け取っただけですか?
その内容までしっかり読んで、日々の指導に当たっている教職員は何人いるでしょうか?
文科省のホームページに全文掲載されていますので、誰でも読むことができます。
この法律の内容と目的は、簡単にまとめると・・・
・学校には、保護者、地域住民、児童相談所など関係者と連携していじめ防止と早期発見に取り組むことを求めた。
・「いじめ防止基本方針」を定め、具体的に機能する防止組織を置くよう義務づけた。
まずは、この法律の目的や内容をきちんと理解することが大切です。
このように、「いじめに特化した法律」ができたことは、「国としていじめを許さない」という”姿勢”を示したという意味で評価はできます。
しかし、この法律には欠陥があります。
この法律の内容だけでは、いじめが起こったとしても教育委員会も学校も何もしません。
というか、しなくても何もされません。
残念なことですが、この法律には罰則が明記されていないため「いじめへの対応」をしなくてもお咎めなしで済まされるのです。
いじめを見たり聞いたりして、とめなかった、対応しなかったとしても罰則がないため、何も言われないのです。
いじめ対応をしなくてもなんのペナルティーもないのです。
中には、いじめ罰則があることで初めていじめに対応する教員もいるというのが現実です。
誠実に対応してくれる学校ばかりではないのです。
なので、もっともっと法律の「実効力」を高める必要があります。
「関係者と連携して」とは書いてあるのですが、司法や警察などの外部の組織機関については具体的に明記されていません。
学校と近い関係にある教育機関のみしか書かれていません。
いじめを放置している学校現場や教育関係者の「いじめ隠蔽」の罰則も入れる必要もあります。
今、日本の学校のいじめ(子ども対子ども、教員対子ども、教員対教員)は、ここまでしなければ解決できない問題となっているのです。
2013年施行の「いじめ防止対策推進法」により、いじめの疑いがある段階で、学校は「第三者委員会」を作って対応しなければ法律違反になります。
被害者が声を上げなければ、何もなかったこととして処理されてしまいます。
司法に訴えても被害者が逆に罪悪感を感じることさえあるのが今の日本の現状ですが、泣き寝入りはダメです。
全国では、子どもを失った遺族の方々が行政を相手に闘っています。
わが子のためではなく、二度とこのようなことが起こらないように必死になって闘っていますが、行政の態度はまったく誠意が感じられません。
こんなことではいじめはなくすことはできません!
このまま放置していては、何も変わりません。
支援者も含めて多くの人が連帯して教育行政の姿勢を変えていかなければなりません。
「子どもでもわかるようにいじめ防止法」としてまとめられていますので、これだけでも読んでください。
いじめ防止対策推進法条文を読む:子どもでもわかるようにいじめ防止法を解説
いじめ防止対策推進法条文を読んだことはありますか?
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執筆者:azbooks