・児童生徒が不登校になってからの事後的な取組だけでなく,児童生徒が不登校にならない,魅力ある学校づくりを目指すことが重要である
・不登校とは、多様な要因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を『問題行動』と判断してはならない
・不登校児童生徒への支援は『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある
・フリースクールなどの民間施設やNPO等と積極的に連携し、相互に協力・補完することの意義は大きい
・不登校児童生徒に対する多様な教育機会を確保すること
いかにしたら不登校対策が実現できるか
この「通知」を通知で終わらせないためには、まずこのような通達が出ていることを多くの人たちに知らせること。
そして、この内容が速やかに実施されるように学校と保護者の連絡を密にすること
さらに、関係機関やさまざまな人たちと連携して実施できるよう働きかけたり、協力できることは進んで行動に移すことが必要です。
教育委員会からの通達や学校教育目標が形だけで終わっていることが問題であって、いかにしたらそれが実現できるかということを考え、できることから実施していかなければなりません。
この通達が絵に描いた餅になっていないか?
口で言うだけでは誰でもできる。
言うだけ言って、あとは現場に丸投げというのが文科省のやり方ですからね。
さらに実行となると程遠い気がしています。
これを実行するために日々の具体的な取り組みが必要。
関係者は、今一度各々の取り組みについて自己点検して欲しい。
不登校の理解と支援のための教職員研修資料『あした、また学校で Ⅲ』
平成27年3月に鳥取県教育委員会・いじめ・不登校総合対策センターが不登校の理解と支援のための教職員研修資料『あした、また学校で Ⅲ』という冊子を作成、発行しています。
今、その実行力が問われています。
その内容はつっこみたいことも多くあります。
教員も多忙の中、疲れ切ってるといってもいいです。
分かっているけど手が回らないという実情もよく分かります。
そうだとしたら、何が必要なのか、何を大切にすべきか、何がいらないのか、保護者や関係者も含めて語り合う場が必要です。
これでまた忙しくなるという意見もあるかもしれませんが、本音で話すことなくして解決は不可能です。
この資料ですが、もしかしたら学校間で情報交換しているかもしれませんし、公開されているものですから、学校へ渡しても大丈夫だと思います。
ぜひそうしてください。
ただし、先生方に渡す前には注意が必要です。
先生によっては、保護者から他県の資料を受け取ることで気分を害する人もあるかもしれません。
「自分たちも研修はやっている。資料も読んでいる。対応もしている。なのになんで保護者から他県の資料を読まされて指導をされるのか?」と、受け取ることをよしとしない人もあります。
先生にもいろいろなタイプがありますので、渡す相手、渡し方や伝え方も考えたほうがいいです。
なので、渡す前にはお住まいの地域の資料も見てからの方がいいかもしれません。たいていの教委はこのような資料を作ってHP上で公開しています。
それを確認したうえで、「鳥取県ではこのような取り組みをしているそうです。私も読んでみたのですが、子どもを理解する上でとても参考になりました。」などと、紹介するのがいいと思います。
奥平さんのご判断にお任せしますが、地域に「親の会」などがありましたら、そこで相談されてみるのもいいと思いますよ。
鹿児島市不登校児童生徒の支援
鹿児島でも不登校教育相談に関する各種リーフレットを作っていますよ。
各地の県・市教委でも作成しています。
九州では佐賀県が不登校の取り組みが進んでいると思います。
鹿児島市不登校児童生徒の支援
埼玉県もこのような資料は作っていますし、職員研修もしているはずです。
しかし、実際には学校に理解があって適切な対応ができているかどうかは疑問です。
これは、鳥取県の現状をみても同じような感じですね。
保護者としてはその前段階での対応を求めてているのですが、どうしても「学校へ行くこと」が前提としてすすんでいるのが現状ですね。
親の会もあるということですからそこでも相談されてみてはどうでしょうか。
本来なら「子どもを中心において」両者が協力していく必要があるのですが、鳥取県でもまだまだそこが不十分です。
不登校の際 最も重要なのが担任の初期対応
最も重要なのが、担任の初期対応です。
担任が不適切な初期対応をすると、子どもはどんどん担任や学校から心が離れていきます。
担任は「なんとかして学校へ連れ戻したい」という気持ちで一心なのだと思いますが、それが目的になっては子どもは心をどんどん閉ざします。
不登校は「困ったこと・悪いこと」という見方ではなく、この子にとっては「必要なこと・大事なこと」という見方で接していくことが最も重要です。
そうすれば、おのずと初期対応でどんなことをしたらいいかが見えてきます。
学校としても対応の仕方が分からなくて困っている
学校は学校で頑張ってはいるのですが、現実としては、手が回らないというのが正直なところです。
不登校対応教員や特別支援担当教員が中間的な役割をもってはいますが、実際にはなかなか機能していないのも事実です。
子どもの状態も個々異なりますので、ケースバイケースで一概にこうしたらいいともいえません。
なので、学校としても対応の仕方が分からなくて困っているということもいえます。
しかし、それでは困っている子は困ったままの状態が続いていきますので、外部の相談機関などに入ってもらい、まずは学校長や担任に保護者の思いを聴いてもらうことだと思います。伝え切ることが重要です。
担任との関係の悪さが不登校の要因であったり、長期化させていることの理由であったりもします。
なので、担任以外で信頼できる先生がいたらその人に話してみるのもいいです。
そのような先生が学校にいないということであれば、外部の相談機関や親の会にいってみると方法は見つかると思います。
やはり親が動かないと環境も変わりませんので、連携できる人を探すことが一番ですね。
子どもさんの状態をきちんと伝え、学校の理解を進めていくには何度も何度も繰り返し伝えていくことと外部機関の協力を得ることが必要ですね。
各地に親の会がありますので、そちらで情報を聞くこともできると思います。
周りに力になってくれる人は必ずいますから、一度相談に行ってみられたらどうでしょうか。
不登校は親と学校の連絡が密で無かったという理由だけではありません
私の投稿をシェアしていただいた方から、以下のコメントをいただきました。
「まず不登校になる「原因」を追究し、原因に対しての予防策をまず考えなければならないのではないでしょうか?
東谷先生のご意見では、その部分が欠如しており、もし不登校児童が出た場合には、親と学校の連絡が密で無かったという結果だけに終わるような気がします。」
私の投稿からこのような受け止め方をされたのだと思いますので、補足を載せておきます。
まず、私は「先生」ではありませんので、「さん」付けで呼んでいただいたら結構です。
はい、もちろん、不登校になる「原因」を追究し、原因に対しての予防策を考える必要もあります。
そして、その要因もひとつではなくいろいろなことが重なり合っています。
また、それに対する予防策も講じてはいますが、十分にできているとは言えないのが現状です。
予防策についてはこの投稿では書いていませんが、過去の投稿でも何度も触れていますので、確認していただけたら幸いです。。
「不登校は親と学校の連絡が密で無かった」というだけの解釈ではありません。
こちらでも不登校関連の記事を書いていますので、読んでいただけましたらうれしいです。