9月も後半となり、そろそろ来年度の就学先について学校から話をされている保護者の方もあると思います。
発達障害が気になる子どもさんの場合、実際に手続きをされた方は感じておられると思いますが、決定までのプロセスが本当に大変です。
「うちの子どうしようかと悩んでいるんだけど、早く決めろと言われても?」
「通常学級か支援学級かどっちがどうなの?」
子どもさんの状態を把握したり、親の気持ちの整理をしたり、就学先を探すといってもどこが合っているのか分からないという方も少なくありません。
就学に関する具体的な手続きについては学校や教育委員会に聞くのがいいのですが、ある程度流れが分かっていると準備もしやすいです。やはり早目に相談するのがいいです。
地域や学校によっては丁寧で手厚い支援をしているところもありますが、一般の公立小中学校の特別支援について細かく個々の子どもに合わせてやっていることは少ないのが現状です。
もちろん、中にはがんばっている教員もいますが、現状に追いついていないということもあります。
例えば、子どもさんが学習や学校生活の場面に合わせて使いたいとタブレットの持ち込みを希望しても、なかなか認められない学校がほとんどです。
保護者の方が何度も何度も学校長と対話を続けて、何カ月もたってようやくタブレットを使う許可が出たというケースもあります。学校側がタブレットで何ができるのか、使うメリットを知らないということも許可されない大きな理由です。
導入後には、「こんなに簡単で便利なんだ。」とその良さをはじめて知ったという校長もあります。
タブレットひとつでさえ、実際の導入までには本当に時間も労力もかかっています。
保護者の要望を申し出ても受け入れてくれる学校のほうが珍しいくらいです。
やはり学校長の考え方と理解に差があり、それが学校間の差を生じさせています。
今日の日本海新聞に「羽合から泊小へ通学 地域選択制度導入へ」という記事が載っていましたが、子どもが希望する学校に通学できる、自由に学校を選べる制度を作っていくことも必要だと思います。
こちらのお母さんもこのように言っておられます。
・子どもをほったらかしで、適切な支援をうけられない支援学級もある。
・特別支援教育には専門の知識や技術が必要だが、そこまで現場での研修や意識が追いついていない。
・教員の多忙化や教育予算や制度の問題でもある。
・障害があることを理由に他の保護者の方から差別的な扱いを受ける。
・障害を理由にいじめに発展することもしばしばある。
・地域や教員個々の素質に委ねられている学校も少なくない。
・ICT教育が必要なのは普通学級も同じ。
・子供に合わせて環境をえらぶ必要性がある。
今年の4月から施行された障害者差別解消法に基づく合理的配慮が公立の学校でも義務付けられました。しかし、現状ではその実現までにはまだまだ時間がかかります。
保護者と学校との信頼関係を築いていきながら、すべての子どもに適切な支援ができるよう進めていく必要があります。
障害のある児童生徒の就学先決定について(文科省資料)
発達障害があっても特別支援学級をえらばない理由
発達障害が気になる子 通常学級か支援学級かどっちがどうなの?
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執筆者:azbooks