教育

鳥取市立気高中学校の男子生徒の自殺の全貌を明らかにしていくことが再発防止につながる

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2015年9月24日午後7時ごろ、鳥取市立気高中学校の校舎内で男子生徒が意識不明の状態で倒れているのが見つかり、その後、死亡しました。その後のメディアでは「男子生徒が自殺した」と報道されました。
市の教育委員会によると、男子生徒は部活動を終えた後、発見の約40分前に校舎の玄関方向に歩く姿が目撃されていました。
教育委員会は、男子生徒の学年や発見の状況・死因など、当時は詳しいことは明らかにしていませんでした。
その数日後の日本海新聞には「自殺の原因はいじめではない」と断定された記事が載っていました。
「自殺の原因はいじめがあったかどうか分からない」ではなく「自殺の原因はいじめではない」と断定されていました。
その後、鳥取市教育委員会が校長会を召集し、緊急に調査するよう教育長から命令が下されていました。
2016年3月22日、鳥取市立気高中学校で昨年9月、1年の男子生徒が自殺したとみられる問題で、市教委の諮問機関「市いじめ防止対策推進調査委員会」(委員長、本名俊正鳥取大学学長顧問)が木下法広教育長に調査報告書を提出しました。
調査報告書では、自殺した生徒への「いじめはなかった」との結論が出たようです。
「自殺の原因はいじめではない」
「自殺は本人の理由によるもので学校とは関係ない」
という市教委や学校の責任逃れの調査報告書だといえます。
これは、結論ではありません。
「いじめではない」と決め手になった根拠も明らかにされていませんし、まだまだ公にされていないことはたくさんあります。
この件に関しては「いじめとの因果関係」のみが取り上げられていますが、もしかしから、気高中生徒からのいじめではなく、教師からのパワハラや行き過ぎた指導、不適切な対応に問題があったのかもしれません。
いわゆる「指導死」によることも考えられます。
ですが、現段階の報告ではそれを知ることはできませんし、報道ではそのことは一切書かれていません。
気高中の中1の男子が校舎内で自殺。これだけでも重大事件です。
今後も継続的な徹底した調査が必要です。
「いじめはなかった」という調査報告では解決したとはいえません。
この調査報告書の中身や市いじめ防止対策推進調査委員会の調査の仕方や経緯もきちんと公開すべきです。
私たちは報道を通してしかその経過を知ることができませんが、それを知り、私たち一人ひとりが何ができるか考え、それぞれの立場でできることを実行していくべきです。
「学校で起きたことだから学校と教育委員会に任せる」「わが子はもう学校を卒業したから・・・」という考え方だから、このようないじめや子どもの自殺はなくならないのです。
遺族の方の思いを最優先に考えていく必要はありますが、自殺の全貌を明らかにしていくことが再発防止につながります。
さらに、今後の具体的な自殺防止策を講じていくことが急務です。
第三者として彼らに直接何かできることはないのですが、こうやって多くの人に事実を知らせること、そして身近な地域の学校に大人が関心を持ってどんどん介入していくこと、辛い思いをして無理して学校に行っている子どもたちを守ること、親御さんの気持ちに寄り添い、いっしょに悩み考えること。何よりも学校環境の改善に向けて自分のできることをしていくこと。
おかしいとおもったことを「これはおかしい」と言い、学校の在り方について多くの人で語り合い、学校環境で改善すべきことはすぐにでも改善していくべきです。
教職員だけでは限界があることを、学校からもどんどん情報を発信して知ってもらい地域の助けを求めていく必要もあります。
学校だけでできることは限られていますので、もっと地域の大人を学校内に入れていくことが大切ですが、現状では「学校内には入りにくい」という空気があります。地域にも学校にも遠慮という高いバリアが存在しています。
まずは、その空気やバリアをなくしていくことからがスタートなのかもしれません。
このように、気高中の中1の男子のメッセージを受け止め、彼のためにできることはたくさんあります。
いよいよ明日から新年度がスタートします。
子どもたちにとってすべての学校が安心して通うことのできる環境で迎え入れたいです。
それが教育の場を作る者の責任です。
安心して居ることができないのであれば、そんな学校に行く必要はありません。
命の危険にさらされる学校に、わが子を行かせることはありません。
安心して居ることのできる居場所を作るのは、私たち大人の責任なのです。
埼玉中2男子、12人の教員から1時間半もの指導 その後自殺

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