「ヒトは「いじめ」をやめられない」
この本も読みましたが、いじめについて違った視点で書かれています。
様々な試みをしてもなくならないいじめ。
そもそもゼロにしようというアプローチが間違ってるんじゃないの?
「いじめをすることが社会的正義である」「生きていくために、集団からはみでるものは排除する必要がある」と思う事で、快感ホルモンドーパミンが出るからいじめはやめられない。
違った角度からの視点で新しい気づきが得られ、とても刺激を受けます。いじめを脳科学的に見るという新たな気づきが発見できると思います。
「いじめが止まないのは、いじめが『やめられないほど楽しい』ものだから」と脳が認識しているからなのだ。
人間が本質的に「いじめをやめられない」のなら、どうすれば回避できるのか。著者は具体的な対応策もいくつか提案している。
「自分も傷つく」ことに気づかせることがとても大事ですね。
ぜひ多くの人に読んでもらい、気づきの中からそれぞれの立場で行動を起こしてほしいです。
いじめをやめられない人間の本性と対策を人気脳科学者が語る!
脳内物質の視点から言うと、「仲がよいほどいじめが起きやすい」という傾向があります。誰かと長時間同じ空間に一緒にいることで、「仲間意識」をつくる「オキシトシン」という脳内ホルモンが分泌されます。オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれ、脳に愛情や親近感を感じさせるホルモンです。しかし、このオキシトシンが高まりすぎることで、仲間を守ろうという意識が高まり、「邪魔者」は排除しなければ、という意識も同時に高まってしまうということが分かっています。
子どもの脳は発達段階です。いくら「いじめてはいけない」「相手の気持ちを考えよう」と教え諭しても、「抑制」と「共感」の領域が未発達なため、ブレーキが利かないのです。これを止めるには、子どもに「自分が相手を攻撃すると、自分が損をする」と感じさせ、「いじめ」という行為を放棄させる徹底したシステムを構築することが重要です。
先生が知っておきたい いじめと脳の関係~ヒトはいじめをやめられない?~
(【教育技術×EDUPEDIA】スペシャル・インタビュー第12回 中野信子先生)
中野信子氏が解説する「シャーデンフロイデ」という感情
この記事も科学者らしい論理で書かれていて分かりやすいです。
「シャーデンフロイデ」とは、妬みの相手が失敗したときに感じる喜びの感情のこと。
「人の不幸は蜜の味」「他人の不幸で今日もメシがウマい」という言葉がありますが、それと同じです。
「あいつ空気読めないよね」「変わってるよね」ということで、バッシングやいじめが始まったりすることもある。
この「ちょっと違う人」を検出するために、ヒトはどのような仕組みを使っているのか。
これって、いじめの拡大になったり、いじめが解決できないと「諦める理由」になったりもしています。
この本では「いじめはどうしてなくならないのか」具体的な社会での例をあげて集団と排除にまつわる問題による「いじめ」の発生する背景や構造を説明しています。
現在行われている「いじめ対策」に効力がない理由も分かります。
それだけでなく、「どうすればいじめを回避できるのか」中野さんは具体的な対応策もいくつか提案しています。いじめを減らすのに効果的な方法も述べています。
科学的なことも勉強し、大事なことは「ではどうするのか」という具体的な行動につなげていくことです。
シャーデンフロイデは、妬みの相手が失敗したときに感じる喜びの感情のことです。例えば、自分と同学年で同性の人が、素敵な恋人とつきあいはじめました。誰もが羨むような人とお付き合いをしている。でも、どうもそのせいか成績も下がって、なんか別れたらしいよ、とかね。