鳥取県教委は、新たに「手引き」を作成し、夏休み中に各学校の支援体制を整えてもらう考えだということですが、これまでも内部の担当者だけで作っている手引きがあります。
その結果が今回の数字です。
まず、この右肩上がりの数字をどう見るか?
そもそもそ出発点である不登校の本質の理解が不十分です。
そして県教委は「支援とは何をどうすることか」支援の目的である「不登校の解決」をどう考えているのか「教育行政と語る会」でも確認します。
この「教育行政と語る会」は親の会が行政に呼び掛けて企画します。
オープンにしたいと考えていますので開催日時が決まったらお知らせします。
求められているのはは教育行政の実行力です
毎日新聞には「教職員と専門家が協力し、不登校の要因を見つけることが必要とした。」とある。
日本海新聞には「不登校要因が多岐にわたり支援が難しい状況が指摘された。」とある。
「不登校の要因を見つけることが必要」なのに「不登校要因が多岐にわたる」って矛盾してないですか。
日本の学校は本当に狭い範疇でしかものごとを考えられないようになってしまっています。
不登校の解決を「学校に来させること」が目的となってはいませんか?
本質を見誤ってはいませんか?
不登校要因は明確です。
そして、教育委員会として学校としてどんなことに取り組むかも明確です。
問題はそれを実行するかどうかです。
子どもが学校へ行かなくなったとき、少し休んでゆっくり考えてみることも必要ですが、現在の教育行政の対応は「なんとかして不登校児童生徒の数を減らそう」として「学校復帰」を第一に考えて対応しています。
学校が必要な子もいます。学校に行きたいと思っている子どももいます。しかし、その一方で学校環境になじめなくて苦しんでいる子もたくさんいます。では何をすべきか何が必要なのか。それを考え実行していくのが教育行政の務めであり責任です。
不登校の理解と支援のための『あした、また学校で Ⅲ』の実行力を問うにも書きましたが、平成27年3月に鳥取県教育委員会・いじめ・不登校総合対策センターが作成、発行した不登校の理解と支援のための教職員研修資料『あした、また学校で Ⅲ』という冊子があります。
しかし、現状では十分な対策も対応もできていません。
できないのならできないで、それを解決するための具体的な手立てが必要なのですが、「時間がない」「忙しくて対応できない」という「言い訳」で不登校の子どもたちは置き去りにされているのが現状です。
本当に困っている子どもや親御さんの声は届いているでしょうか?
子どもたちからのSOSを受け止め、最優先で取り組むべきです。
不登校は、小学校163人(前年度151人)▽中学校463人(同459人)▽高校257人(同233人)。いじめ認知は小学校490件(同279件)▽中学校235件(同179件)▽高校33件(同54件)▽特別支援学校40件(同40件)。いじめ認知件数の増加について県教委は、早期発見・対応ができているためと分析している。一方、49校で認知件数がゼロだった。
8月17日に県庁で開かれた「いじめ・不登校対策本部会議」で示された手引きでは、いじめや不登校、児童虐待など、子どもを取りまく問題を未然に防ぐため、教職員と専門家が協力し、要因を見つけることが必要とした。
具体的には、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどとの調整をする教職員の「教育相談コーディネーター」を学校ごとに指名して役割を明確化したり、気になる児童生徒については早期に検討する「スクリーニング会議」も活用したりすると明記した。