現在、国レベルでは「不登校は就学義務違反や問題行動とはみなされない」とされ、それは学校教育法、教育機会確保法の制定および文科省の通知がその根拠になっています。
教育機会確保法の施行から十年以上も前に、すでに文科省からは、事実上「不登校児童の家庭での学習を容認・支援する」という通知が出されていました。平成17年に出された通知では、「一定の要件を満たした上で,自宅において教育委員会,学校,学校外の公的機関又は民間事業者が提供するIT等を活用した学習活動を行った場合,校長は,指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができる」としています。
しかし、その実現にはほど遠い。
学校が安心できる場になるどころか、現状では管理強化と競争が進みますますしんどい場所になっていると思います。
学校現場ではこれらの通知や法律が徹底されているとは思えません。不登校の子どもをさらに追い詰める矯正、強制指導が行われています。
そして「学校に行くのが辛ければ逃げていい」とさまざまなところで言われるようにはなりました。
しかし、それでは子どもの安心は担保されません。
子どもたちの不安は解消されません。
学校が変わらなければ、学校システムが変わらなければ子どもたちの不幸はこれからも続いていきます。
現場の教員もがんばっている。
親も子どもを応援している。
社会的な理解も少しずつ広がってきている。
学校以外の居場所も少しずつ増えてきた。
しかし、不登校の子どもが減ることはない。
子どもの自殺も増え続けている。
学校現場の個々の教員の努力や親の応援ではどうしようもないのです。
居場所が増えても「学校教育システム」を変えなければ、学校そのものが安心して過ごせる場にならなければ、9月1日が最悪の日であり続けます。
子どもたちの声を直接聴いてその思いを知ってほしい
すべての子どもが学ぶ意欲をもっています。勉強ができるようになりたいと思っています。今よりよくなりたいと思っています。誰かにそう言われたりテストで比較、競争させられなくても子どもはそう思っています。
また、学校に行くのが簡単なことではない子もいます。学びたいのにそれが困難な子もいます。
たくさんの人の中に入るのが苦手な子もいます。
周りから見たら「ちょっとしたこと」でも、そうではない子もいます。
「学校以外の場所に行けばいいよ。」と言われても、学校が辛くても「やっぱり学校がいい」という子もいます。
まずは、こんな子どもたちがいるんだって知ってほしい。そのためには子どもたちの声を直接聴いてその思いを知ってほしい。
さらに、学校を楽しく学べ、安心して過ごせる場にする必要があります。学校の外ではなく「学校の中」に多様なスペースを作る必要があります。学校の中にいろんな学び方ができる教室を作れば今よりももっと学校が楽しい場所に変わります。
そのためには、いろいろな人たちの協力が必要です。たくさんの人たちの理解が必要です。
そのために、鳥取県民のつどいを続けていきます。県民のつどいは、子どもたちを真ん中にして県民みんなで創るみんなのつどいです。
あなたも私たちといっしょに県民のつどいを創っていきませんか。
だから、子どもたちの安心を実現するために、今年も12月1日に第2回鳥取県民のつどいを行います。
こちらに第1回子どもの学びと不登校を考える鳥取県民のつどいの基調提案と文科省・鳥取県教委の参考資料をPDFにしてアップしています。