教育

本田秀夫教授による注意欠陥・多動性障害(ADHD)への支援と治療

投稿日:2016年8月9日 更新日:

とてもわかりやすいです。
特性の理解とはどういうことか?
適切な対応をするための基本的な考え方とは?
これまでの認識がすっきりと整理できました。

・正しい姿勢で学習しましたか
・ケアレスミスに注意しましたか
・人の話は黙って聞きましたか
・集中して取り組みましたか
・時間を守りましたか
・努力してがんばりましたか
・誰とでも仲良くしましたか
これって、学校での学習や生活の評価によく使われます。
そして、これらができていない子に対して教室でよく見られる風景が
・はい、手は後ろ!
・間違ったところを何回もやり直しなさい!
・私語はしないで!
・今やることをみんなといっしょにちゃんとやること
・次の行動を考えて時間前に行動すること
など、教員からは厳しい要求が発せられます。
教員は、それらを「させること」が目的となり、形ができないとできるまで「やらせよう」とします。
さらに、それが「子どもにとっていいことだ」と自分に思い込ませてやっていることが少なくありません。
これが、今の日本の「普通」の教室だと考えられていて、教員は疑問すら持っていません。
子どもたちはそれができるのが当たり前だと思いこみ、懸命に頑張っています。
努力して頑張っているにも関わらず、きちんとできない子どもは「ダメな自分」だと思い込みます。
それを教員はますます追い込むという悪循環を繰り返しています。
しかし、ちょっと考えれば分かることですが、「懸命に頑張らせること」は全く意味がないどころか、間違った対応です。
これは、ADHDなどの発達障害のある子どもだけでなく、すべての子どもにとっても不適切な対応です。
これは、「表面的な見た目」によって判定されていますが、本質はこれではありません。
「その子」にとっての目的を達成できるのであれば、正しい姿勢でなくても黙って学習しなくても、時間通りにできなくても何の問題もないのです。
ADHDなどの発達障害の子どもに対して、それらの症状をなくそうとする「矯正」指導はまったく逆効果です。
その特徴を否定的な見解から肯定的な考えに転換することが大事で、だからどう具体的な行動をすればいいかを考えて対応すべきです。
具体的な症状や行動を「これがADHDの特性だ」と理解したうえで、具体的な対応支援の工夫をすることによって、特性が活かされ子どもは自信を回復します。
教員の対応の仕方を含めて、子どもが自信を持てる環境を用意することで、積極的に充実した暮らしができるようになります。
この先生の考え方と支援の在り方にはとても納得できます。
発達障害そのものは治すことはできませんが、二次障害(二次症状)は防ぐことができます。
大事なのは二次障害を起こさない(小さくする)ことです。
しかし、現状では残念ながら適切な対応ができている学校も教員も少ないです。
二次障害を起こしているのは、子どもではなく教員の対応方法と学校の環境に問題があるからなのです。
これは、実際に私が現場にいたときにもよく見ていた光景です。
”学校”というところは、「見た目」や「形」にこだわりが強く周りからの表面的な評価をとても気にするところなので、教育本来の目的とは真逆な対応をしているところが少なくないのです。
私には、子どもを自由にさせることを恐れているとしか思えません。管理や統治が目的になっています。
隣でそのような光景を見ながら、もっと子どものことを信じることができないものかと、いつも疑問を感じていました。
そのような対応に対していつも反対意見を述べるのですが、「子ども勝手なことはダメ」「それでは指導が甘い」とか「子どもは厳しく指導すべきだ」「怠けさせるだけだ」という意見が大方を占めていました。なので、私が個人的なサポートをしていたというのが実情でしたけど。
一律的で一方的な指導しかできない教員だと、個々への対応の仕方が分からないという者も少なくありません。
そのような教員だと、他の教員の意見に従うことが最も安全でリスクが少ないのです。だから、これが「学校での普通の対応」になってしまっているのです。なにがなんでもみんなを同じにしたいのです。「違った子」や「変な子」ちょっとでもみんなと外れる子(だけでなく私のような教員も)が認められない空気が”学校”にはあります。
さらに小児科の医師ですら発達障害の理解どころか、間違った治療をしている者もあると聞いています。
投薬治療にしても薬に依存するのではなく、症状を軽減するための頓服的・一時的な利用であればいいとも聞きます。
私は、多くの事例も報告されているように、投薬による副作用の害の方が危険だと思っています。
Hirataさんのおっしゃるように、これは発達障害のある子どもだけでなく、すべての子どもの教育に当てはまります。
発達障害のある子どもたちが学校で過ごしやすくなることはすべての子どもにとって過ごしやすくなる学校を作ることにつながります。
さらにいえば、不登校やひきこもりの人が過ごしやすい社会はすべての人にとって暮らしやすい社会となります。
そう考えて、これからの自分のできることをやっていきます。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)への支援と治療―周囲はどのように接すればよいか?
信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部 診療教授 本田 秀夫

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