この度のコロナ休校と再開の繰り返しで、いつも以上に学校現場はさらに負担が増えていると思います。
先生方は大変な中頑張っておられることに頭が下がります。
学校が休校になることによって、子どもの心身の健康管理、学びの保障、居場所の確保など、さまざまな課題が明らかになってきました。
そこで、今できうる子どもたちへの対応策について考えてみました。
最も重要なことは、子どもの心身の健康管理です。この状況下で学校に集まるのは短時間であってもやめた方がいいと思います。
時間を決めてリアルタイム、オンラインで顔を見てお互いを確認し合ったり、おしゃべりをする程度がいいと思います。
「先生はいつでも話ができるようにして待っているよ」という感覚でいいです。
2.オンライン授業については、学校単位で無理してやる必要はない
教員の負担を減らす意味で、学校独自の教材や問題集なども作らなくていいです。(余力があればいいと思いますが)
基本は、児童生徒個々の「自学」で進めます。
今、多くの教材が配信されていますので、それを活用する。
教員は、オンラインや電話、メールなどで質問を受けるなどしてフォローする。この時、教員は在宅勤務でも対応できます。学校は日直制にして交代で勤務します。
セキュリティなどの問題もクリアしなければなりませんが、今は緊急時です。そいういうことを言い出したら何もできません。
3.教員一人ひとりが今できる最善のこと
この記事の一番最後に書いています。今後のために子どもたちにとって最も大切なことです。
オンライン授業競争が始まっているにも書きましたが、私が最も心配なことは、この休校期間中に「勉強嫌いの子」が大量生産されているのではないかということです。
だから、この休校中の子どもへの宿題は2つだけでいいです。
2つ目は、自分のやりたいことをやる。
もちろん、学校とのつながりはそのままで、子どもの相談や困りごとへの対応は行います。
「子どもたちは今何を求めているのか」という視点が重要
あと、多くの提言は大人サイド、学校、教員サイドから出されています。それは、子どもサイドの要望に応えられているでしょうか。
暮らしや学校に制限のある中で、「子どもたちは今何を一番求めているのか」という視点が最も重要だと思います。
子どもは学校に何を求めているでしょうか?
家で過ごしている子どもたちが求めていることって、何でしょうか?
「学校に行きたくない」子どもたちは、なぜ学校に行きたくないのでしょうか?
必ずしも教員が学校に居なければ、子どもたちのニーズに応えられないでしょうか?
もしかしたら、学びの保障は学校という場でなくてもいいのではないのか?
学校が本来担うべきこ役目は何なのか?
それを原点に立ち返って考える必要があると思います。
何のために教職という道を選んだのか?
教員の研修会なのでよく聞かれる問いがあります。
「どんな教師になりたいか? 」
それに対して、こんな回答があります。
「どんな子どもも認めることができる教師」
「一人一人の心を見つめることができるように」
「子どもの気持ちを大切にできる教師」
「自分の特性を活かしながら生き抜いていく力をつけてやりたい」
「子どもたちの心をしっかりと捉えることができる教師になりたい」
これを見ると、めざす姿とは、出発点は子どもの思い、子どもの気持ちが分かる教師です。
学校とは教科書を持って教室に集まり一斉に授業するもの、というスタイルがこれまでの「当たり前」でした。
その中で、子どもも認め、気持ちを大切にし、生き抜いていく力をつけていこうとしていました。しかし、必ずしも同時刻に同学年を一斉に集めることが必要でしょうか。
今まさに、その発想を脱却する、最後のチャンスが来ていると思います。
登校日などの設定を考えているところもあるようですが、今3密を避けながら、子どもたちを学校に集めることは可能でしょうか。安全ではないところに集めるようなことは絶対に避けなければなりません。
今学校としてできること、一人の教員としてできることは何か
これまではどんどん学校の負担が増え続けてきました。
無意味な作業内容を増やすことはあっても、それを減らそうということはしてきませんでした。
それらがこの度の「コロナ効果」でどんどん削られています。
それがなくても学校は成り立つということ、学校が担う役割とは何かを見直すチャンスです。
そして、「学校や教育ってそもそも何のためにあるのか?」「誰のためにあるのか?」今一度立ち止まってよく考えるべきです。
それを現場の教員や教委など教育関係者が考える。「子どもたちにとって最良の学びとは何か」最良の教材を創る時間にすべきです。
教育業界の構造と学校のシステムをガラッと変えていく期間にしていったらいいと思います。
ただし、これまでの学校の構造やシステムをオンラインで再現しようとするのでは意味がありません。それでは、これからの時代に必要な学びは得られない。今こそ学校改革のチャンスだと思います。そのためのトライアルをどんどんしていくべきです。
この機を逃したら永久にその機会は来ないといってもいいと思います。
先生方がゆっくり過ごすことも今できる最善のこと
子どもの心身の健康管理、学びの保障、居場所の確保、これまでも学校はこれを補う努力をしてきましたが、学校だけでこれらを補うことは不可能です。
なので、妹尾さんの言うように「手段は、ゼロか百かではない。幅広い選択肢を柔軟に考え、できることから始める」しかないですね。
今学校としてできること、一人の教員としてできることをするしかないです。
キャパ以上のこと、限界を超えてまでしようとしなくていいです。
ただでさえ大変な新学期ですが、この3月4月にかけての先生方の疲労度は大変なものがあると思います。
先生方には決して無理なことをしないでもらいたい。このまま頑張りすぎると、コロナでやられる前に教員が倒れてしまいます。
どうぞご自愛されて、子どもたちのために心身の健康を第一に考えてほしいと思います。
GWはうちでゆっくりのんびりしましょう。先生方がゆっくり過ごすことも今できる最善のことではないでしょうか。
休校の長期化が想定されるなか、学校、教育委員会に考え、行動してほしい3つのこと
オンライン授業の是非を問う(1)学校現場の葛藤と最前線
そもそも学校の担うべき本来の役割とは何か
そもそも学校って何のためにあるのか?
そもそも学校がもっている機能って何なのか?
学校に行かないとできないことって何なのか?
別に教員がやらなくてもいいことがあるんじゃないのか?
こんなことを考えるいい機会だと思います。
そして、見直したことをアフターコロナで実行して初めて意味があるのだと思います。
オンラインで授業を配信することが教員の仕事なんでしょうか?
今遠隔オンライン授業が盛り上がってきているけれど、私も学校や教員がそれに労力を使うべきはきっとそこではないと思います。
先生にしかできないことは、「受信」をともなう、この4つの役割が重要です。
ここから時間を費やすべきは本当に “オンライン授業(ティーチング)”?
休校中に学校や教師に担ってほしい《4つの役割》
【各学校でできること】教職員が在宅勤務でも子どもを支えられる環境を整えよう。
休校の長期化・エリア拡大を想定して、いま学校にしてほしいこと