学校が再開した時に、また元通りの勉強のスタイルに戻ったのでは意味がありません。
学びの在り方をアップデートする機会にしなきゃ意味がありません。
「学校に行かなければ勉強できなくなる、〇〇できない」という大人の「学び観」の狭さを変えていかなければ意味がありません。
今できないなら、教育改革はこの先もできるはずがありません。
すぐに学校の役割を根本から見直した方がいいと思います。
休校で突き付けられた課題――そもそも「学ぶ」とは何か?
もちろん、学校で行っている授業をオンラインに移行しようという取り組みは、とても素晴らしいことです。それを前提として、あえて自分の違和感を言語化させてもらうと、「なぜ、わざわざ『違う場』になったのに、そこに『これまでのやり方』を移入させようとしているのだろう」ということです。
「同じ場」でなくなったのだから、もはや「同じ時間」に「同じ内容」でやる必要もなくなりました。「同じ目標」を「同じ方法」で、「同じクラス」の中だけで学ぶ必要もなくなったのです。これらを、やむを得ず「同じ」にしてきたのがこれまでの学校教育だったのではないでしょうか。その弊害を、私は現場で常々感じてきました。なぜ大人たちは、子どもの「ゆとり」を恐れるのだろう?「教える」で、余白を埋めたがるのでしょう?
「家庭におけるインターネット環境整備が格差を生む」と、メディアやネットを騒がせるようなこともありました。
しかしながら、1カ月経ち、本当に露呈したのはネット環境整備の格差よりも、自立して学び続ける力の格差だったのではないかと思っています。
この問題の大きな原因は、大人の「学び観」の狭さにあると言っていいのではないでしょうか。学校で教えている教科教育だけが「学び」であり、それ以外の、進学をするための知識や技能に結び付かないようなものは「遊び」であると見なしてしまう「学び観」。私たち大人は、無意識に「これは学校で習う教科の何につながっているのか」ばかりを気にしてしまうし、それが見いだせないと「遊んでばっかりいないで勉強しなさーい!」となってしまいがちです。
ネット環境だけじゃない、休校で明るみに出た子どもたちの本当の格差とは?
学校が育まなければならない本当の力とは
本来授業のある期間。コミュニケーションだけでなく、学びにスポットを当てた取り組みにしたい。そこで、基本的な使い方を統一しました。その方法こそ、学校の算数の授業で行ってきた、「自己調整学習」の方法でした。
私が受け持つ学年では算数の時間に、「自由進度学習」というものを行っています。当時の学年は5年生でしたが、教室内には小6や中1の問題に取り組む子もいれば、小2の問題をやり直している子もいました。全員がそれぞれ自分のめあてに向かって、全力で挑戦していく。そんな自由進度学習を支え、把握する手段としてスクールタクトを使ってきました。
子どもが自分の興味あるものを探してきたり、新たな分野に関心を持ったりするのはなかなか難しいことです。だから、「こんなコンテンツがあるよー」といった紹介はどんどんしています。やってもやらなくてもいい。でも、だからこそ「なんだか面白そう」と、そうやって、自分の殻を自分で破っていきます。破ってみたら、思いがけない楽しさがあった、そんな体験。それが、子どもの挑戦心を育てるのではないでしょうか。
結局、ネット環境やコンテンツがあっても、やらない子はやりません。成否を分けるのは、自律的に学ぶ素地が身に付いているかどうかであり、今回の休校によってその力の有無が露呈した形になったのだと思います。学校で身に付けさせなければいけない力は、ペーパーテストで満点を取る力よりも、むしろこれら7つを代表する「自律的に学ぶ力」だったのではないかと、この渦中にあって考えています。
学校がなくても子どもたちが進んで学び続ける、7つの理由
学校が無くても学べる、を証明する。
オンライン授業を実現するポイントとは?
オンライン授業のスライド制作の際に大事にしているのは
・1つのスライドに入れるメッセージは1つに絞る。
・スライド1枚にかける時間は30秒程度、テンポよく進める。
の2点です。生徒たちは「Zoom」でみんなの顔が見えるだけでワクワクします。その気持ちを大切にすると、授業もテンポ良く進められるはずです。
オンライン授業、今後の可能性
今後オンライン授業が普及していくことで、島しょ部や中山間部など、学校規模が小さいために複数人での協働学習が困難であったり、地理的・物理的・金銭的な制約により希望する授業を受けられなかったりした地域でも、制約を気にせずに希望の授業を受けることが可能になります。
オンライン授業を実現するポイントとは? N中等部の「Zoom」を使った事例を紹介!
新しい学習指導要領「学習プロセス等の重要性を踏まえた検討」
学びを通じた子供たちの真の理解、深い理解を促すためには、主題に対する興味を喚起して学習への動機付けを行い、目の前の問題に対しては、これまでに獲得した知識や技能だけでは必ずしも十分ではないという問題意識を生じさせ、必要となる知識や技能を獲得し、さらに試行錯誤しながら問題の解決に向けた学習活動を行い、その上で自らの学習活動を振り返って次の学びにつなげるという、深い学習のプロセスが重要である。また、その過程で、対話を通じて他者の考え方を吟味し取り込み、自分の考え方の適用範囲を広げることを通じて、人間性を豊かなものへと育むことが極めて重要である。