教師の働き方改革については場外でさまざまな意見や提案がされていますが、これまでも言ってきたように学校現場がやろうと思って行動すれば今すぐにでも変えることができます。
変えられないのは、変えようとする意思も行動力もないからです。
いわゆる同調圧力、長いものに巻かれ流されることを良しとしている風潮が学校現場にあるからです。
一人だけ出る杭になることを極端に怖がっています。目立つことに警戒心を持っています。
さらに、超過勤務、強制労働をよしとして働いていることが大前提にあります。
早朝から深夜まで勤務する教員がよしとされ、時間を減らすどころか現場間で競ってさらに仕事を増やしています。
休みを取るどころか、行事などで休みを奪われても誰も文句をいいません。きちんと代休を要求していたのは私くらいでした。
職員会議や研究会では意見を出さなくて、陰でちょこちょこ、職員の飲み会や会食などでは愚痴のオンパレード。そんなに嫌なら正々堂々と訴えたらいいのにそれをしない、すると目立つから、すると上から嫌な目で見られるから。
さらに、さらに教員ほど世間知らずの仕事人はいません。
世間の常識は学校の日常識とはよく言われることですが、学校という職場しか知らないので、それが多いのか少ないのかの判断ができません。与えられた作業をただこなすだけなので考える余地も力もなく、行動に移せる者はごくごく少数です。
そんなに教員が嫌なら辞めたらいいです。無理してやっていると自分のためにも子どもたちのためにもなりません。心身を壊してまでやることではありません。
他にも楽しくてやりがいのある仕事はいっぱいあるのだから。
学校での宿直勤務は長時間労働ではないのか?
私たちが子どものころには学校には宿直室という部屋があって先生たちは交代で寝泊まりしていました。
当然宿直明けも通常通りの勤務です。
当時は長時間労働が問題となっていたかどうかは分かりませんが、当時の先生は昼も夜も学校で過ごしていたわけです。
そして、担任の先生が宿直のときには友達といっしょに泊まったり夜の学校探検をしたり、暗くなったプールで泳いだり、それはそれは楽しい時間でした。
もちろん、宿直室にはお酒も置いてありました。
多分、こんなことは禁じられていたのだろうと思いますし、当時の担任の先生にはもしかしたらPTAからクレームがあったり上から注意されていたかもしれません。(聞いていないので分かりませんが)
宿直手当も出ていたので、これは超過勤務ではありませんが、このように働いていても当時の学校にはゆとりがあり、子どもたちも生き生きしていたように思います。
今も土日の部活指導を生きがいにしている教員も少なからずいます。
働き方とは視点が違いますが、教員一人ひとりの目的観ややりがい、学校とは何かという視点で見ていく必要もあるのではないでしょうか。
「やらされる(=非裁量)」仕事を減らすこと!
今の学校はいろんな面で無理に無理を重ねて成り立っています。
本当にこのままでは教員も子どもたちも壊れてしまいます。
だから、教員志望者が減って不登校の子どもが増えるのは当たり前です。
1.人と予算は増やさない「働き方」改革
・いま学校に必要なのは「人と予算」だ。
・教職員の長時間過密労働進行の原因の分析が根本から間違っていると言わざるを得ない。いや意図的にごまかしている。
2.教職員の裁量拡大がカギ
・教員の業務負担軽減のいろいろな提言を行いながらも、最終的には「学習指導要領の円滑な実施」「学習指導体制の強化」などがその目的とされている点が大きな矛盾。
・教職員の自発性や創造性による運営は存在しない。
・まず管理職や教育委員会などに「やらされる(=非裁量)」仕事を減らさなければならない。
すでに多くの教員と子どもが壊されています。
このままだともっと多くの教員も子どもも壊れてしまいます。
教師の働き方改革が進まない学校の「世論知らず」