不登校中の子どもや、辛い思いで学校に行き続けている子どもが、一人でも自身に合った生き方や学び方を選べる世の中になるようにと、「不登校の子どもの権利宣言」が作られました。
この権利宣言は、フリースクールに通うメンバーが「子どもの権利条約」を学ぶ中で、不登校を経験した私たちからも思いを発信したい!と、“子どもの権利”と“不登校”をテーマに話し合いを重ね2009年8月に完成、全国子ども交流合宿「ぱおぱお」で採択されました。
「子どもの権利が守られているかどうかは、子ども自身が決める。」
「学校へ行かない」という選択をした子どもたちが、「学校に行くことが当たり前」という社会の価値観の中で、子どもたちの思いを十分に理解できない人たちから心無い言葉を言われ、傷つけられています。
社会の間違った価値観や認識、無理解のために、命を落としている子どもたちまでいます。
特に保護者や学校関係者は、きちんと子どもの声に耳を傾け、子どもの個々の価値観と最善の利益を尊重してください。
そして、みんなが共に生きやすい社会をつくっていきましょう。
不登校について「正しい」理解と適切な対応をしていけば、「不登校」も「不登校」という言葉もなくなります。
県内の各地の親の会でも、いろいろな人たちと連携しながら、子どもの権利を保証するための話し合いと行動を続けています。
児童憲章にも、「すべての児童は、就学のみちを確保され、また、十分に整った教育の施設を用意される。」児童権利宣言にも「人類は、児童に対し、最善のものを与える義務を負う」とあります。
子どもの権利を守るのが、すべての大人の義務です。
「不登校問題」というのは「不登校は問題である」という考え方をいいます
「不登校」は悪いことでも問題でもありません。
「不登校は悪いこと」「学校へ行っていない子は悪い子」「行かせてない親に問題がある」という世間の認識が間違いであり問題なのです。
「不登校問題」というのは、子どもや家庭に問題があるのではなく、社会や学校制度や環境、教員の対応の仕方に問題があるために発生しているのですから、そこを改善していかない限り不登校は増え続けていきます。
「子どもを学校へ行かせようにするための適応指導」も間違った方法であり、変わるべきなのは不適応を起こしている学校の方なのですから、学校をはじめとする公的な支援機関には、その点を重く受け止め理解のある適切な対応を求めます。
なので、子どもも親御さんも自分を責める必要などありません。
学校に行く選択も行かないという選択もあるというだけのことなんです。
さらに、学校へ行くことだけが「普通教育」を受ける場であるという認識もまた間違いですから、多様な学びの場を保証していく必要があります。
すでにそのような場はいくつかありますので、「自分に合った場」で過ごしたり学んだりしていけばいいのです。
そうすることが、唯一の「不登校」の解決方法です。
■不登校の子どもの権利宣言(PDF)
「不登校の子どもの権利宣言」に込めた思い