昨日は、まなびタウンとうはくであった「発達障害児への理解と支援を学ぶ講演会」に参加し、NPO法人陽なたの竹内美智子理事長と、車尾小学校の京久野美枝LD等専員から話を聞きました。
平成17年4月に「発達障害者支援法」が施行され、平成19年4月から「特別支援教育」が学校教育法に位置づけられ、「すべての学校」で障害のある幼児児童生徒の支援をさらに充実していくことになりました。
法律の整備から10年が経過していますが、その理解はまだまだ不十分です。
就学前の園や学校現場でも様々な取り組みが行われていますが、「すべての学校」で発達障害が理解され、適切な対応ができているとはいえません。
個々の子どもへの対応以前の問題として、教職員や保護者の理解が進んでいないことが問題です。
今回の講演会には、教職員や教育関係者、発達障害の子どもの保護者など県内から様々な人たちが来ていたので、発達障害児の理解に向けて有意義な内容だったと思います。
学校現場においても発達障害については個々の特性の理解が不十分なために、「その子にとって」不適切な対応となり、ますます状況を悪くしているケースも少なくありません。
特別支援教育については、就学前は比較的熱心に取り組まれていますが、小学校、中学校、高校と進むにつれて教職員の理解も少なく、個々の子どもへの対応力も弱いというのが鳥取県の現状です。
LD等専員や特別支援担当の仕事量も膨大なものがあり、今の人的配置では「すべての学校」まで手が行き届いていません。
また、理解のある教職員が在籍している学校では子どもへの対応もできていますが、そうでない学校の場合は、発達障害の子どもたちが辛い学校生活を送っている例が少なくないのです。
現状を見るとさまざまな課題はありますが、県でも各自治体でもそれぞれの立場でできることを進めてはいます。
また、現場の職員も精一杯の努力を続けてきている者はいます。
しかし、「放置」されたままの子どもたちが少なくないのが現実です。
今後、校内での共通理解のもとでの実践と学校間での”本当の意味で機能する連携”を強化していかなければなりません。
・発達障害の子どもは脳機能が「治る」とか「良くなる」ことはないが、理解者・支援者の存在と「その子」に合った環境を用意すれば「その子らしさ」を発揮していきいきと学校生活を送ることができる。
(発達障害は「特性」なのですから、そもそも、「脳機能の異常」だという考え方、「治る・よくなる」という捉え方が間違いなのだと私は理解しています)
・「その子」との「共通言語」、お互いが通じ合える「伝達方法」を持てば、”普通に”コミュニケーションができる。
(これは、東田さんの話でも強く感じました。)
・本人が「自分の好きなことをさせてもらえる大人がいる」と自覚できれば、さらに特性の理解が深まり、「その子らしく」過ごすことができる。
つまり、周囲の理解と環境を整えることによって障害が「障害」でなくなるということです。
学校現場での理解はもちろんですが、保護者間や地域での理解となると全くできていないといっていいです。
目の前の子どもたちの「困った」(周囲の障壁によって困らされている)に対応できる体制を作っていくために、今後もこのような研修会の場を多く設定して欲しいと思います。
今回は講演のみで終了しましたが、参加者間での意見交換の時間もあったら、なおいいと思いました。
今年度はあと半月で終わりますが、平成27年度の「特別な支援を必要とする子どもたちの明日を語る会」の意見交換概要は、いつになったらアップされるのでしょうか?
会が終了してから3ヶ月経過しています。
平成27年度の意見交換をもとにして、早急に平成28年度の方針を決めて具体的な取り組みをスタートして欲しいです。
まなびタウンとうはくで「発達障害児への理解と支援を学ぶ講演会」に参加
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執筆者:azbooks