暮らし

世間に根付く認知症のネガティブなイメージはメディアにも責任がある

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昨日の22時からNHKで認知症キャンペーン特番 第6弾「わたしが伝えたいこと ~認知症の人からのメッセージ~」という番組を見ました。
このキャンペーン番組は継続して見ていますが、これまで伝えられている認知症のイメージとは異なっています。
メディア報道やテレビドラマでは認知症のネガティブな面ばかりが取り上げられて、自分が分からなくなる、乱暴や危険な行動をするようになる、人格が崩壊するなどというシーンが映し出され、「認知症は怖い病気」「認知症になりたくない」というイメージが伝えられてきました。
多くの人たちは認知症に関する知識も少ないために、そのようなメディアから流れる情報のみで認知症というものをとらえています。
政府や自治体の広報などでは「認知症はだれでもかかりうる病気」と言われています。
それは、自分が認知症になったときのショックを受けないためのものなのでしょうか?
「認知症にならないように予防しましょう」という取り組みがありますが、「認知症は悪い病気だからなると大変だ」という前提があるのもなんだか変だなあと感じていました。
認知症予防教室なども開かれ、「認知症にならない」ための講習会も行われています。
それはそれでいいことなのですが、ネガティブな面だけをとらえて「それは悪いことだ」「認知症になると大変なことになる」だから「認知症にならないようにしましょう」と受け止めているのではないでしょうか。
書籍やネットの情報などには、認知症の人の行動や症状例としてこのように書かれています。
本人がもともと持っている性格や環境、人間関係など様々な要因がからみ合って起こる、うつ状態や妄想といった心理面・行動面の症状がでてくる。
・能力の低下を自覚して、元気がなくなり引っ込み思案になる。
・今まで出来たことが上手く出来なくなって自信を失い、すべてが面倒になる
・自分のしまい忘れから、他人へのもの盗られ妄想をする。
・嫁が家の財産を狙っているといったオーバーな訴え・行動がちぐはぐになって徘徊する。
・配偶者や介護支援者に対して暴力を振るうようになる
実は、これって医者や介護士などからの一方的な見方であって、認知症の当事者から発せられたものではありません。
しかも、認知症のマイナス面だけが取り上げられていて、そこで完結していることが大きな問題です。
本人は認知症のマイナス面を知ったことで、認知症の症状を重くしているともいえるのではないでしょうか。
これまでは、これらの情報ばかりが先行しているため、認知症の診断を受けると本人も家族も大きなショックを受けています。
そして、診断によって自己否定、絶望を生んでいるケースが多いのです。
しかし、本人も周りの人たちも認知症を前向きに捉えることで、みんなが生き生きと自分らしく生きることができます。
昨日の番組内では以下のような話が出されました。
病院では「認知症の診断」まではされるが、その後のサポートがないのがダメ。
診断して、その後どのようなことに気をつけ前向きに生きていけるかという具体的な行動内容を知りたい。
「私は私だ」
「私は生きていく、仲間がいるから大丈夫」
「認知症の人」は、特別な人ではなく普通の人」
「認知症によってできなくなることがあるけど、それがどうしたの?それでいいじゃない。
できることをやればいいんだから。

「できないこともあるけど、できることもたくさんある」
「できることまでしてもらわなくてもいい、できないことをサポートして」
これまでは医者や介護士からだけの情報が流され、私たちはそのマイナス面だけを見て認知症の全体像のように思いこんできました。
それが固定観念としての「間違った認知症」を作ってきたのではないでしょうか。
東京都町田市のデイサービス「DAYS!BLG」を利用している認知症の人たちとプロのデザイナーがいっしょに作ったポスターがあります。
そのポスターにあなたの声を載せてみませんか。
NHKシリーズ認知症キャンペーン
http://www.nhk.or.jp/ninchishou/
認知症の人に対してもっと多くの人がこのような考え方や接し方で関わりをもつことができるようになれば、認知症の人がより生きやすい世の中になります。
認知症の人のためにしてあげる、という考え方ではなく、みんなが自分らしくいきていく社会を作っていくための大切な考え方だと思います。
認知症を前向きに捉え、老人を解放しよう
いわゆる「問題行動」は、理解不能ではない
http://toyokeizai.net/articles/-/65292

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