文科省から「学校再開ガイドライン」が出されました。
「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」チェックリスト
・手洗いや咳エチケットの指導を行いましたか?
・学校医,学校薬剤師等と連携した保健管理体制を整え,清掃などにより環境衛生を良好に保っていますか?
・抵抗力を高めることが重要であることの指導を行いましたか?
・3つの条件(換気の悪い密閉空間,人の密集,近距離での会話や発声)が同時に重なる場を避けるため,(1)換気の徹底(2)近距離での会話や発声等の際にマスクの使用等を行うことを教職員の間で確認しましたか?
・一斉臨時休業に伴う学習の遅れに関する対応策について検討しましたか?
・入学式や始業式の実施方法を工夫しましたか?
・部活動の実施にあたり,実施内容や方法を工夫した上で,感染防止のための対応を行いましたか?
・学校給食の実施にあたり,感染防止のための工夫を行いましたか?
・放課後児童クラブや放課後等デイサービスのための教室等の活用について検討しましたか?
「手の届く距離に多くの人がいる」「換気の悪い密閉空間」「近距離での会話や発声」。
教室や体育館で生じやすい3条件が重なる場面を徹底的に作らないようにするということですが、
うわあ、学校は大変だあ!というのが正直な感想です。
机上ではなんとでも書ける。
頭の中のイメージも造ることができる。
しかし、実際の学校は「教室で密集するな」と言われても教室の中はどうなるのか?
これだけのことが本当にできると思っているのか?
はなはだ疑問だらけのガイドラインです。
「児童生徒や教職員の健康目的」ではなく「学校再開ありき」で作られたものだとしか言えません。
実行不可能です。
学校現場を知らない者が作るとこのような内容になるのだと思う。
「工夫する」
「検討する」
「対策を講じる」
「努める」
っていっても、これ無理じゃね?
これ読んでください。
教職員にこれだけのことができると思いますか?
不可能です!
文科省「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」(PDF)
コロナに感染したと疑われる児童生徒が発生した場合の緊急体制は?
このような環境は誰が作り維持するかというと、現場の教職員です。
学校現場は子どもの感染にも配慮するだけでなく、教職員たちの感染も防ぐ必要があります。
そのためのガイドラインなのですが、ひとつひとつチェックしただけでもかなりの負担が見えてきます。
ただでさえ多忙な中で、さらに厳しい健康管理とチェックをしなければなりません。
学校の状況や職員構成にもよりますが、現実として最も負担になるのは養護教諭、保健室の先生になることが予想されます。学級担任が30名もの児童生徒の健康管理することは、はっきりいって不可能です。その多くは児童生徒の自己申告や家庭からの連絡帳になるでしょう。そして最終的に健康状態の判断、判定は養護教諭に頼ることになります。
医療の専門家ですらコロナとコロナ以外の疾病について分かりかねているのに、それを一人の養護教諭ができるでしょうか?
さらに、学級内でコロナに感染したと疑われる児童生徒が発生した場合の緊急体制はどこまで整っているのか?医療の素人である教職員に何ができるのか?医療機関との連携は?などなど問題点は山積み、未決定の状態の自治体がほとんどです。そんな中、学校の安全が不備なまま学校再開がされようとしています。
しかも、いつ終息するのかわからない無期限での対応をしなければなりません。
ただでさえ人手が足りていない学校現場で対応しなければならないのです。
こんなこと不可能です!
だから学校再開はすべきではありません!
民間の施設も公共機関も、当面の間休館、休業、中止にしている中で、なぜ学校だけ再開しようとするのか?
「子どもの感染症例少ない」っていうけど、それは休校にしたからでしょ。
子どもたちは学校が休校されていたから密に接触することがなかったということです。
政府も「非常事態宣言までギリギリ」って言ってるのに、なぜ、今再開するのか?
子どもと教職員の衛生管理がどこまで徹底できるのか?
給食当番との接触、給食前の手洗い、教員がどこまで徹底できるのか?
とにかく学校というところは「密」だらけです。
他人と接触しないで学校生活ができるはずがないです。
最も「3密度」の高い学校空間は安全とはいえません。
今こんな危険な場所に子どもを行かせようとするのは間違っています。
来週の始業式の予定まで猶予はありません。各自治体の長、教育長の賢明な判断を望みます。
参考資料
「学校再開ガイドライン」詳しい内容は?(NHK)
文科省「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」(PDF)
文科省 新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について
文科省 学校再開に向けて(Q&A、通知等)
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今こそ、学校教育改革の大きなチャンスだと思います。
学校と家庭をオンラインでつなぐとどうなるか、何ができるのかトライするチャンスです。
すでにやっている人たちはいます。
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