社会問題

発達障害の二次障害を引き起こしているのは、私たち周りの人たちである

投稿日:

発達障害は治せないし、治す必要もありません。
直す必要があるのは、周囲の環境の方です。
本人が周りに合わせられないという障害があるのではなく、環境が合わない、適応できていないことが障害なのです。
二次障害、三次障害は周囲の理解と適切な対応、環境調整によって防ぐことができます。
障害のある人が問題なのではありません。
障害について周りの人たちの理解がないこと、無理解によって二次障害、三次障害を引き起こしていることが問題なのです。
二次障害、三次障害を引き起こしているのは、私たち周りの人たちであるという強い自覚が求められています。
排除と隔離の論理で対応することがどんなに非人間的な行為であるか、人権損害であるのかを広めていく必要があります。
今年4月に施行された「障害者差別解消法」によって、一人ひとりの困りごとに合わせた「合理的配慮」の提供が行政・事業者に「義務化」されました。
しかし、学校や役所、公的施設などの行政機関には「義務付け」られていますが、現実の社会では二次障害、三次障害を生んでいる事例が後を絶ちません。
学校や職場で酷い対応をされて辛い思いでいる人は本当に多いです。
「合理的配慮」には、物理的な障壁を取り除くだけでなく、周囲の理解と適切な対応、環境調整、不当な差別的取扱いの排除、慣習や慣例、障害の受け止め方や考え方を変えるといった人の内面的な差別の解消までも含みます。
この法を実行力あるものにするためには、一人ひとりの考え方から変えていく必要があるのです。
環境を変えたら問題はなくなるのですから、本人ではなく学校環境の方が問題だということです。

私が接してきた高校年代のディスレクシアの生徒たちにとって、中学までの教室は牢獄のようです。
侮蔑を浴び、恫喝を受けています。
心身に深い傷を負っています。
二次障害、三次障害を負っています。
この手記でも、やはり「なんでできないんだ?」という常套句が先生の口から発せられています。
自分の気持ちを言い表せない本人は、ほかの手段を使って訴え、心と体が悲鳴をあげます。
現在の彼は二次障害、三次障害から回復しつつあり、「困っていること」を自覚出来て、口に出せる表現力を身につけて、人に頼みごとを言えるスキルを身につけつつあります。

日野公三さんのFacebookより

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-社会問題

執筆者:

関連記事

なぜ、結果を出しても給料は上がらないのか

なぜ、結果を出しても給料は上がらないのか? あなたは自分の給料がどうやって決まっているかを知っていますか? 実際、即答できる人は少ないだろうと思います。 今回は3つの仮説を立て、それを検証してみましょ …

ひきこもりの解決に「社会起業家」という自立の道もある

ひきこもっている人だけでなく、すべての人に「社会起業家」という自立の道もあります。 私も自分で仕事を作って起業しました。 「無理なくできる仕事を試行錯誤の果てに作り出したらいい」という考え方には大賛成 …

軽減税率とトマ・ピケティの「21世紀の資本」

政府は「めんどくさい」を理由に軽減税率の導入でもめています。 もともと、税率を上げて庶民からとれるだけ搾り取ろうという連中が考えていることなので、多分本気で導入しようという考えはないと思います。 弱い …

ニートは、若者の「働く意欲」の問題ではない!

そもそも、一律的な社会のレールの上だけで生きていくことに無理があるのです。 「ニート」を社会的不適合だとか社会悪だと決めつける見方の方が間違っています。 「ニート」は自己責任でできたのではなく「社会の …

学校とはいじめを生みやすい環境であることを強く認識すべき

情報が共有されないどころか、いじめが見逃され放置されている。対応がなされない。 今回も防ぐことができた自殺、ではなく教育関係者による「他殺」だという認識をすべきだ。 「学校とはいじめを生みやすい環境で …

スポンサーリンク

スポンサーリンク
21世紀の松下村塾 教育相談無料