教育

『教育』2019.12号「黙」の強制と学校、社会の「刑務所化」

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6月から多くの学校で授業が再開されました。でも、その光景は私たちが知っているものとは大きく違うようです。「友達と話せない」「隣の席に友達がいない」「学校に行くのがこわい」SNSに寄せられた声から、子どもたち、そして親の目に映った学校を、NHKネットワーク報道部が報告しています。

「やっと学校に通えるようになったピカピカの一年生に、『お友達できた?』と聞いてみたら、『前後左右の席、いないんだよ?誰とも話せない確率、95%』となかなか切ない返事がかえってきた。たしかに喋らないと、友だちになれない」

「娘が学校でまだ誰とも会話していないということが異様に感じられて、夫も『学校で誰とも話さないなんてことがありえるのか』って驚いていました。こんな状況で、話を聞いたときは胸が潰れそうで悲しくなりました」

「休み時間友だちと遊ぶの禁止、遊具も禁止、給食も黙って食べる。刑務所、、?」
「休み時間も事細かなルール。読書お絵描き可、鬼ごっこ不可。トイレも決められた時間に順番。こどもの楽しみ奪われてるよね」

学校の再開が決まった5月、母親は娘に学校でも新型コロナウイルスに感染する可能性はゼロではないと伝え、気持ちを聞きました。
すると娘は「病気はこわいから今は行かなくていい」と話したということです。
母親は学校と話し合い許可を得て、知り合いの保護者にも休むことを丁寧に説明し理解を得たということで、登校は引き続き控えることにしました。
今、娘は課題を解きながら、楽しそうに過ごしているということですが、「私だけ学校に行ってないの変に思われないかな」と、学校に行かないことを心配する気持ちもあるようです。

コロナの前から「学校はこわいところ」だと感じていた子もたくさんいます。でも学校は変わらない。
だから、学校以外の場がもっともっと必要だと思います。
withコロナ 学校生活どうなった

子ども同士でチェックしあいいっさいの声を禁じる学校の怖さ

これ、私が保育園に入園した3歳の時に感じていました。
岩波書店の月刊誌『世界』2月号に、ドキュメンタリー映像作家の坂上香(さかがみかおり)さんの連載:プリズン・サークル2回目が掲載されています。

沈黙を強要する社会
 「日本の刑務所でもっとも特徴的なのは、沈黙である」これは、世界的人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによる一九九五年の報告書での指摘である。
 沈黙がすべて悪いわけではない。しかし、沈黙の強要によって、個性を、主体を、問題を包み隠そう(消そう)としているのが国内の矯正施設ではないか。初めての施設訪問以降、私はずっとそう感じてきた。
 ただ、それは矯正施設に限ったことだろうか?
 『プリズン・サークル』の試写を見たある女性から、こんな感想が出た。
 「受刑者が黙って食事をしたり、作業したりする場面、娘の学校とそっくり! 小学校でも黙食をやってるんですよ」
 黙食?と思わず聞き返したのだが、最近、公立の小中学校の中には、黙って給食を食べる「黙食」、黙って掃除をする「黙働掃除」や「無言清掃」、黙って移動する「黙移動」などを推進しているところが少なくないという。守れない生徒には、さまざまな形で罰が与えられる。子どもだけでなく、教員も管理職から指導の不備を指摘され、プレッシャーをかけられる。
 教育研究者の霜村三二(しもむらさんに)は、このように沈黙を取り入れる教育について、全国の現役教員二〇〇名を対象に調査を行ない、三〇都道府県の小学校の教師五八人から返答を得た。その中で浮き彫りになったのは、子ども同士でチェックしあい、相互監視体制をつくり、いっさいの声を禁じる潮流だ。アンケートには、子どもに看守的な役回りをさせ、まるで刑務所や収容所みたいだ、という教員の声もある。
 刑務所化する社会。哲学者のミシェル・フーコーが指摘した、「従順」で「有用」な個人を作るための「規律権力」が、学校、軍隊、工場、企業を覆っていく事態に対して、私自身も危機感を感じてきた。ところが、学校では否定的な感情を排除したり、子ども同士が縛り合ったりする関係性が加速しているうえに、さらなる沈黙の強要が起こっているとすれば、社会の刑務所化が、すでに刑務所そのものを超えてしまっている、と言えるかもしれない。

(出典:坂上香 プリズン・サークル 第2回 エモーショナル・リテラシー【世界】2020年2月
坂上香 プリズン・サークル 第1回 傍観者から参加者へ 【世界】2020.1月

今、「社会の刑務所化」が急速に進んでいる。
学校も刑務所と似たような場所になりつつある。
学校でも「黙食」とか「黙掃」みたいなことが平然と行われる。
授業前や学校行事では「前へならえ」「起立・礼・着席」と命令されて動くのが当たり前。
学校生活、学習、行動において、すべてのことが強要、強制される。
子どもたちへのこうした「沈黙の強要」「同調圧力」は、まるで軍隊のような感じがする。
さらに怖いのが、そう感じたとしても、多くの人たちが「学校とはそういうところ」だと従っている現実があること。
その中では当然のごとくいじめが発生し、その隠蔽も当然のように行われる。
ネットには罵詈雑言があふれている。学校という閉鎖空間の中でもこの傾向が強まり、隠蔽される。
これは、子どもの学びがどうの、9月入学がどうの、オンライン授業がどの以前の大問題です!
こうした風潮は絶対に変えていかなければなりません。

学校は「黙」が強制されるまるで軍隊や刑務所のようだ

学校には「黙」が強制される場面が少なくない。まるで軍隊や刑務所のようだ。
・無言でじっくり朝読書
・集会の整列や移動は無言ですばやく
・無駄な話はせず無言で清掃
・無言で給食
『教育』2019.12号を読む 「黙」の強制
「教えるとは、希望を語ること 学ぶとは、誠実を胸に刻むこと」
けれど、いまの若者たちへの圧迫指導は「教えるとは、絶望に身をゆだねること。
学ぶとは、服従を胸にしまい込むこと」を植え付けるものだ。
こんな教育、学びの場は絶対に許してはならない。
2つの雑誌の文章は一対に~「教育」12月号と「国語の授業(2020冬)」誌

「アベノマスクを生徒に着用、携帯を!」

公立中学校で配布されている文書、これが学校の現実です。
「ブラック校則」の強制、教科書授業の強制、これが日本の学校の役割なのです。
これは、国民に「同質化」と「国家服従」を命令している一例です。
「休校中の過ごし方」「夏休みのよいこのくらし」も子どもに生活様式を強制する文書です。
こうやって、「考えない日本人」を作り出しています。
こうした異常な状況が起きているのが、日本の学校という場です。
埼玉県深谷市の或る公立中学校でアベノマスクを生徒に着用確認を求める文書配布。
【映画】〝沈黙と否認の文化〟に一石 『プリズン・サークル』坂上香監督インタビュー 2020年1月30日

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