文科省は県教育長宛に「不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について」という通知を平成17年7月6日に出しています。
この中で大事な部分はここです。
「不登校の児童が適応指導教室等学校外の施設において相談・指導を受け,又は『自宅においてIT等を活用した学習活動を行ったとき』,そのことが当該児童の『学校復帰のために適切であると校長が認める場合』には,出席扱いとすることができる。この場合には,出席日数の内数として出席扱いとした日数及び児童が通所又は入所した学校外の施設名や自宅においてIT等を活用した学習活動によることを記入する。」
つまり、「不登校の子どもが自宅でIT等を活用した学習活動を行った場合、条件付きではありながら出席扱いとすることができる」ということです。
ただし、この「出席扱い等の要件」はかなり厳しく、クリアすることはかなり難しいです。
不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて
さらに、国会では不登校に関する初めての法律「教育機会確保法」が成立。平成28年12月22日には県教育長宛に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について」(通知)を出しています。
2017年3月に策定された同法の基本指針では、同法とその付帯決議を根拠に「学校復帰のみにこだわらない」新しい不登校対応が必要であることが明示されました。
さらに、基本指針だけでなく新学習指導要領においても、新しい不登校対応の方針が示され、2018年7月11日、文科省は、学校復帰のみにこだわった従来の不登校対応を見直すため、「学校復帰」という文言が含まれた過去の通知をすべて見直す方針を明らかにしています。
「学校へ戻すことがゴールじゃない」文科省が不登校対応の歴史的な見直しへ
しかし、国(文科省)が方針を変えてから1年以上経ったいまでも学校現場の対応は変わっていません。
学校に行かないという選択肢もあるのですが、現実としては行かないと失うことや不利益を被ることがあります。
このことについても、県教委の考え方と学校現場での対応について、10月17日(水)に行われる「不登校についての教育行政との意見交換会」で聞いてみたいと思います。
さらに、12月1日開催の「第1回 子どもの学びと不登校を考える鳥取県民のつどい」の基調提案でも取り上げ、県教委の考え方と学校現場での対応についても報告する予定です。