先日の鳥取県教委が発表した「不登校児童生徒の実態」の分析も乱暴でしたが、今回の再調査も「調査のための調査」に終わっています。
子どものいじめ 調査やり直しで3万件増
http://www.asahi.com/articles/ASHBV71YLHBVUTIL061.html
まったく事実を本気で受け止めていない姿勢が感じられてなりません。
いじめの認知件数は、調査の仕方で大きく差が出ますから、実態は県教委や文科省の発表よりも多いです。
学校側の調査で「いじめられた」「いじめた」ということは出しにくいでしょう。
というか、いじめの件数が増えたとか減ったとかが問題ではなく、「依然としていじめは続いている」という現状にどう対処していくかのほうが大事です。
県教委や文科省は「いじめはどの学校でも起こりうる」と考えて対応していくとしていますが、その対応は全くできていないといっていいです。
件数が減ったから対応ができているとはいえません。
酷いのは、「いじめを受ける側にも問題がある」という学校の認識です。
このような考えの学校を誰が信じて本当の話ができるでしょうか?
本音で相談しようと思えるはずがないでしょう!
また、一口にいじめといっても様々な形があります。
・子どもから子どもへのいじめ
・教員から子どもへのいじめ
・子ども集団から教員へのいじめ
・教員集団から教員へのいじめ
・文科省から県教委へのいじめ
・県教委から教員へのいじめ
今回の調査では子どもから子どもへのいじめに限定した調査ですが、教育行政や学校を取り囲む環境の整備がなされれいるとはいえません。
”いじめが起きたときに被害者にも加害者にも向き合い、子どもの命を守るための具体的な対応策を構築する”ためには、まずは被害者が「いじめられている」事実をきちんと吐き出すことのできる関係を作ること、被害者意識だけでなく加害者の思いにも寄り添い、その背景を改善していくことが必要です。
子どものいじめ再調査も「調査のための調査」だ
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執筆者:azbooks