今の学校の勉強は、みんなに同じことをさせて勉強を嫌いになる子どもを育てているような気がします。
苦手なことを何度も何度もやらせることは、それができるようになるどころか、どんどん嫌いにさせていきます。
教室では毎日そんなことをさせていないでしょうか?
大人たちも子どものころからそんな勉強の仕方をしてきたので「勉強は面白くないもの」だから、「勉強は我慢してやるもの」だと思っています。
まずは障害の理解ですが、学校現場ではどれだけ理解が進んでいるでしょうか?
理解と同時にスキルアップも必要です。
ICT機器の利用で楽にアウトプットすることも可能になります。
最も大切なポイントは、できないことを克服させるのではなく、興味のあることをして、得意分野を伸ばすことです。それは算数や国語の学習でなくてもいいです。
読字障害、書字障害の場合も機器を使うなどして、その子に合った方法で学習したらできることを増やすことができます。
今ではゲーム感覚で学習ができるものもあります。
「できる、できない」で観るのではなく、子どもたちが「学習してみたい、学習するって楽しい」って感じることの方が大切です。
本人がやってみたい!と思っていることを楽しむことが大切です。
学校の先生の仕事は「勉強ができる」ようにすることではなく、「勉強って楽しいな」と感じさせることです。
他人と点数の競争をすることではなく、「ボクはこれが好き」「わたしはこれが楽しい」っていう子どもを育てることです。
そうしたら、何も言わなくても、何もさせなくてもやりたいことが増えていきます。そうしたら、自分のできることが増えていきます。
勉強することは、本当は楽しいことなのです。
学校での評価はしない方がいい、通知表もいらない
学校評価が子どもの学ぶ意欲を奪っているにも書きましたが、学校で「勉強ができる、できない」というテストの点数で評価するから意欲も自主性も育たないのです。
評価はいらない。ほめなくてもいい。がんばれなんて言わなくてもいい。
子ども自身が「楽しい、面白い」と感じたら勝手にどんどん学び始めます。動き始めます。
少なくとも変な評価やほめ言葉で子どもの才能をつぶさないことが重要です。
子ども自身が「これって楽しい、面白い」「またやってみたい」と感じたら、何も教えなくても勝手に学びますよ。
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問いをもち続け、当たり前を見直す
子どもを変えようとする前に授業を変える。
子どもを授業に合わせるのではなく、学習スタイルを個々の子どもに合わせる。
子どもを学校に合うように訓練するのではなく、学校環境を個々の子どもに合わせる。
これって、支援学級だけでなく通常学級でも同じことがいえます。
特別支援教育で重要な視点とは、「その子を変えようとする前に、授業を変えることはできないか」と問い直すこと。授業中、発言を待つことが苦手なA君のケーススタディを紹介しています。
通常学級での特別支援教育
川上 康則(東京都立矢口特別支援学校主任教諭)