教育

学校の教員や教育委員会が不登校を解決できない理由とは?

投稿日:2017年5月9日 更新日:


「不登校の解決」とはどのような姿をいうのでしょうか?
文科省や教育委員会の作ったガイドブック、冊子にはこんな言葉か出てきます。

・不登校の未然防止
・不登校の予防
・不登校を克服する
・不登校を乗り越える

しかし、この認識が間違っています。これらは「子どもに問題がある」という発想から出てくるものです。「子どもが学校に来るように備える、育てる、治療する」という考え方になっています。
不登校は問題行動ではありません。
つまり、学校に行かないことは悪いことではありません。
しかし、世間的には「学校に行ってないのは問題」になっていますよね。
私も学校に行きたくない子がいるのは当たり前だと思います。
しかし、その考えに基づく対応がされていないことが大きな課題です。
学校に行かないこと、行けないことで「不利益を被っていること」「学校に行ってないのは問題」だという捉え方が問題です。
どこで何を学ぶかは子ども本人が決めたらいいと思います。
また、不登校の要因には発達障害と関連がある。そして「発達障害と不登校」などという講演会なども行われています。
「不登校は問題行動」でも「病気」でもありません。それなのに、なぜ「予防」や「克服」する必要があるのでしょうか?
さらに、そもそも「不登校の解決」を「学校復帰」だと考えていることが間違っています。「不登校の定義」に誤りがあります。
「不登校の解決」の姿は、子どもの数だけあります。その中のひとつが「学校復帰」なのです。子どもには学校に行く自由も行かない自由もあります。これが大前提です。
(教育委員会や教員をはじめとした多くの人たちが考えている)学校復帰の方法もたくさんありますが、教員の多くはその方法を知らないどころか、間違った対応ばかりしています。だから子どもはますます学校がイヤになっていきます。
・不登校の予防
・不登校を克服する
この考え方の誤りに気づいているでしょうか?
少なくとも教育関係者の多くは気づいていません。
だから真逆の対応しかできないのです。

学校や教育委員会は「不登校の解決」はできない


さらに困ったことに、学校の教員は「子どもがなぜ学校がイヤになっていくのか」が分かりません。
「学校に行けない」「学校に行かない」本質的な理解が全くできない者が無理やり学校に連れ戻そうとすればするほど学校嫌いの子どもを増やしていきます。このようなことはちょっと考えたら分かることなのですが、教員も教育委員会もそれが分からないんです。
このような理由で、学校や教育委員会は「不登校の解決」はできないんです。
それでは、どうやったら解決できるのか?
その基本中の基本は、子どものことを「信じて、見守り、待つ」。
そして、子ども本人が決めたことを「いっしょに喜ぶ」ことです。

地域の中の学びの場のひとつが学校である

教員が楽しく子どもと関われる環境が必要だと思いますが、現状では教員もがんじがらめに縛られていて自由な動きが取りにくくなっています。
楽しい環境作りのためには、学校内部を変えるだけではダメで、保護者を含めて地域の人たちが「いつでも気軽に」学校へ入って行ける雰囲気作りをしていく必要があります。もっと学校の「風通し」をよくすることです。
しかし、私は学校の教職員も外にいる人たちもお互いにバリアを張っているような気がします。
「何か」に遠慮したり、気をつかったりして「空気を読む」ことが優先されていますから、とても窮屈な状態なんです。
それを解放するためには、学校に丸投げするのではなく、地域で育てる「環境の一つが学校なんだ」という認識を広げていく必要があります。前々から口ではそう言われていますが、現実はますます学校が閉鎖的になっているのではないでしょうか。
そういう環境の中にいる子どもたちは、いろいろな形でメッセージを送っています。
現場では対処療法でその場をしのごうと必死になっていますが、根本的なところを変えなければ同じことは何度も繰り返されます。
現状を変えない限り、未来は変えられません。
ちょうど今、倉吉では学校統廃合の計画が進められていますが、そんなときだからこそ「地域の中の学びの場のひとつが学校である」「学校だけが学びのステージではない」という認識を強く持つチャンスだと思いますね。

教師が不登校を“解決”できない理由

・教員と不登校の子は良好な関係づくりが難しく、実態を見るまでに至らない。
・ほとんどの教員が不登校の多数の子と頻繁には会っていない。
・不登校の子が嫌がっている学校復帰を教員は求めてしまう。
・毎日、会えることを前提とした教員の指導スタイルが不登校の子には通じない。
・教員の8割が「過労死ライン」の月100時間超の残業をこなしているなど、対応に必要な時間も確保できない。

大事なのは、不登校の経験値であり共感。
肩書きでなく、大切なのは「人」です。
教員が頼れないならば、誰を頼ればいいのか?
不登校の実例の宝庫とは?
教師が不登校を“解決”できない理由とは?

「不登校問題」というのは教育行政側の問題

「不登校問題」が解決できないのは当たり前です。
「不登校問題」は教育行政、学校制度、学校システムの問題で発生しています。決して子どもの側に問題があるのではありません。
まずは、ここが出発点にならなければいけないのですが、そこから間違いが始まっています。
「不登校」対応が学校や教育委員会などの教育行政が当たっていることに大きな限界があります。というか、そもそも無理なんです。
この体制は何十年も前から変わっていません。そこに大きな問題があります。
・そもそも現在の学校の指導スタイルが「不登校」の子には合わない。
・教育行政ではいまだに「適応させる」という用語が使われ、「学校に合わせる」という指導がなされている。これは対応とはいわない。
・子どもは学校に行くのがイヤなのに、そのイヤな学校が相談窓口になっている不思議。
・イヤな所には行きたくない、イヤな人には会いたくないというのが当たり前の心理
・しかし、保護者は教育行政を頼わざるを得ないという現実が続いている。

「不登校問題」というのは、子どもの問題ではなく教育行政側の問題なのです。
それを問題の当事者である教育行政主導で解決するなんて不可能です。
この出発点がおかしいから、いつまで経っても何も変わらない。
だからこそ、教育行政ではない独立した機関、場所、人が必要なのです。

学校へ行くとか行かないとか

教育行政だけでなく、「子どもは学校へ行くものだ」という社会的な認識もおかしなものだと思いますが、私は好きなことをしていったらいいと考えています。
学校を利用してもいいいし、利用しなくてもいい。
(学校の)勉強ができるとか、才能があるとか、能力があるとかではなく、そこに自分の興味がある、熱を注げられるこが大切だと思います。
熱中できる対象はなんでもいいです。なにを選んでもOKです。
今はそれを大人が制限しているように感じています。そうやって子どもが選べる選択肢を少なくしているように思います。大人基準でものを見させているから子どもの興味関心、好奇心を奪っているような」気がします。
小さいころから大人が敷いたレールの上を無駄なく効率よく進ませているような気がします。
子どもはもっと自由に熱中したらいいと思います。

お近くの親の会をおすすめします


子どもが「学校に行きたくない」といったら何をしたらいいのか、何をしたらいけないのか、こちらに書いています。
子どもが不登校になったら 親ができる最善の方法
「そうはいってもねえ・・・」
「現実を考えるとなかなか・・・」
そんな声があちこちから聞こえてきそうですが、ちゃんと研修したら分かることです。
ちゃんとですよ!
「前向きに検討します。」
「持ち帰って対応します。」
って言われますが、早急に100%の解決は期待していません。
その実現に向かって、1%でも5%でも誠心誠意努力しているかどうかが大事なんです。
子どもが不登校になったけど一体いつまで待ったらいいの?にも書いていますが、不登校の子の「解決」とは、自分の道を自分で決めて歩んでいくことだと思います。決して学校復帰だけが解決ではないです。
子どもが自分自身を取り戻すことです。
さらに、親や教員が具体的に何をしたらいいのか?
それを親の会で話しています。
「子どもが学校に行かなくなった。どうしたらいいの?」
「子どもが学校へ行くのを嫌がるようになった。」
「子どもが朝になると頭がいた糸かお腹がいたいとか言い出した。どうしよう?」という方、
そんなときは、お近くの親の会を訪ねてみてください。
不登校を解決した姿も聞くことができますので、お近くの会を訪ねてみてください。
鳥取県内の親の会には私も参加していますので、お気軽に声をかけてください。
鳥取県内の不登校やひきこもりの親の会はこちら
親の会について詳しく知りたい方は、こちらからお問い合わせくださってもいいです。

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