鳥取県で「不登校児童生徒への自宅学習支援事業」が9月から実施されましたにも書きましたが、鳥取県教育委員会から「ICT等を活用した自宅学習支援事業について」報告されました。
この事業は、文部科学省の委託事業(2019年度いじめ対策・不登校支援等推進事業)により実施されるもので、一人一人の状況に合わせた主体的な学びの機会の確保及び学力の向上を図り、児童生徒の自己肯定感を高め、社会的自立を促すことを目的に「不登校児童生徒への自宅学習支援事業」を開始しました。
(1)事業概要
・学習教材「すらら」を利用する。
・県内3か所の県教育支援センター(ハートフルスペース)に配置した自宅学習支援員(計3名)が、児童生徒に対して学習の進め方をアドバイスしたり心的なサポート、保護者への支援を行う。
(2)対象(計15名)
・鳥取県内の小・中学校の不登校児童生徒で、適応指導教室やフリースクール等に通っておらず「主に家庭で過ごす」小・中学生(東部:3 名、中部:3 名、西部:3 名)
・鳥取県内の「ひきこもり(傾向)にある」高校生年代の青少年(東部:2 名、中部:2 名、西部:2 名)
(3)学習の進め方
・自宅のパソコン等でWebサイトからID及びパスワードを入力して、国語、算数・数学、英語の学習を行う。
・学習内容は、それぞれの習熟度に応じて選択でき、各自のペースで学習を行い、平日(水曜日を除く)の9:30から15:30は、自宅学習支援員がリアルタイムで学習状況を把握、働きかける。
(4)自宅学習支援員による支援
定期的に面談等を行い、当該児童生徒の学習や生活の様子等を聞き取るとともに、保護者の思い等を受けとめ、自宅における児童生徒への言葉かけ等についての助言等を行う。
(5)利用者の決定方法及び利用状況について
<小・中学生>
・市町村教育委員会及び学校との連携により、利用者を決定する。
・小・中学生の利用枠である9名について、現在、利用に係る手続き等を進めている。
<高校生年代>
・主に県教育支援センター(ハートフルスペース)との連携により、利用者を決定する。
・9月末現在で、2名の支援をスタートさせている。
・利用者は毎日30分程度の学習を継続しており、自宅学習支援員は保護者と定期的な連絡を行い、支援を進めている。
※引用先:「ICT等を活用した自宅学習支援事業について」報告(PDF)
学校に行かなければ勉強できない。
こんな時代はとっくに終わっています。
不登校の児童生徒は「心の不安感」だけでなく「制度上の不利益」を被っているに書いていますが、問題は学校に行かないことではなく、そのために不利益を被ってしまうことです。
学校に行かなければ勉強できない。そんな価値観はいま変わりつつある。それを助けるのがオンライン学習ツール。要件を満たせば「出席扱い」になるのだ。
小中学校で不登校の児童生徒数は2018年度、前年度より約2万人増え、16万4528人だ。
文部科学省は、学校に行けない子どもたちがIT教材などで自宅学習した場合も、出席扱いにしてその成果を評価に反映できる通達を出している。だが、保護者にも学校にもあまり知られていない。05年の制度施行から今までで、出席扱いになったのは286人だけだ。
「出席日数ゼロのままでも卒業はできますが、通知表上は評定不能となり、高校進学などの妨げになることもある。何より子どもの努力を大人が認めることに意味がある」