学習障害のある子は勉強ができないわけではありません。
怠けているのでも努力が足りないわけでもなく、彼らは懸命になって「勉強したい、できるようになりたい!」と頑張っています。
学習障害のある子は同じ教科書や問題を見ても、友達や親、教員と同じように見えているとは限りません。
見え方が違うために、読みたくても読めなくて困っているんです。
読み書きや算数の学習に困難のある子どもがどのように見えて、だから何に困っているのかが分かれば、個に応じた声掛けの仕方も変わり、課題の提示方法、学習の進め方も工夫できます。
漢字練習を何回も何回もやらせたり、何十問もある算数プリントを一度にやらせることがいかに大変なことが分かります。
私はメガネがないと生活ができませんが、「メガネなしで頑張って車を運転しなさい!頑張れば前が見えるから」と言われても怖くて運転はできません。
読字や書字、算数に困難のある子に「がんばればできる!」「何度もやったらできる!」といってもできるようにはなりませんが、その子に合った学習方法であれば、すべての子が意欲的に学習することができるようになります。
こちらで学習障害、読字障害があると文字や絵図などを見るとどう見えるか、実際の見え方が分かります。
学校での学習評価は限られた方法と「ものさし」で測定した値に過ぎません。
子ども個々のもっている素晴らしい才能を見ることができていないんです。
インプットとアウトプットのしかたを工夫するだけで、学習障害の子どもたちも能力を発揮することができます。
これも「環境調整」のひとつです。
2年生でかけ算九九を覚えるために、子どもを職員室に呼んで唱えさせていた教員がいました。
しかも、すべての児童に同じようにやっています。
そして、職員室にいる教員たちが、「○○ちゃん、よく言えたねえ。」と拍手。
子どもの気持ちがまったく理解できていないひとつの事例です。
子どもが勉強できないのではなく、教員ができないような勉強しかさせていないのです。
子どもの問題ではなく、教え方の問題です。
これを見たら、みんなが同じことを同じようにすることがいかに無理をさせているかが分かります。
以下、学習障害による困難さを疑似体験できるサイトをまとめました。
これらの動画は、学校の保護者会や授業などでも使えますよ。
学習障害による困難さを疑似体験することができます
学校での学習評価は限られた方法と「ものさし」で測定した値に過ぎない
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執筆者:azbooks