学校教育法は、特別支援教育の実施について特別支援学校や小中学校だけではなく、「高校もその対象になる」と明記しています。しかし、実際には小中学校の通級指導のような「特別の教育課程」を編成する制度が高校にはありません。
昨年、文部科学省は、高校における特別支援教育の充実方策を検討するため有識者らによる協力者会議を発足しています。
小中学校と同じように、障害のある子どもが一般学級に在籍しながら、必要に応じて別教室などで特別な支援を受ける「通級指導」を高校でも導入するため、「特別の教育課程」の編成を制度化する検討を始めることにしました。
たとえば千葉県立佐原高校では、各高校で独自に設けることができる「学校設定教科・科目」の一環として「心理学」を設け、障害の有無に関係なく人間関係形成力やコミュニケーション力に関する指導を実施したうえで、対人関係スキルなどを学ぶ個別指導へとつなげることを計画しています。
千葉県立幕張総合高校でも「心理学」や「自立活動(ライフスキルトレーニング)」などの選択科目を設けることにしています。