教育

5つの回復段階に応じたその子に合った不登校支援を 

投稿日:

子どもが不登校になると、ほとんどの親は不安と焦りを感じていると思います。
「子どもがなにを考えているのか分からない」
「この状態がいつまで続いていくのか」
「学校に行かないと、この子は将来どうなってしまうのだろうか」
など、考えれば考えるほど深みにはまっていくというのが正直なところではないでしょうか。
そして、不登校が長引くと、特に中学生の場合は親子関係が崩れ、親に対して暴言を吐いたり暴力を振るったりという行為も現れてくる場合もあります。
こんなとき、親自身もどう対応していいか分からなくてパニックになり、ますます親子関係を悪化させてしまうことにもなりかねません。
そこで、不登校の子どもがたどる時間的な段階を知っておくことで、子どもの状態を客観的に見られ、親自身も少しは落ち着いて見ることができるのではないかと思います。
ただし、これは一般的な傾向ですから、個々の状態によっても異なります。
すべての子どものケースに当てはまるのではないことを承知の上で見てください。

1.急性・行き渋り期
2.葛藤期
3.安定期(充電期)
4.始動期(第二葛藤期)
5.活動期

1.急性・行き渋り期

学校にいけなくなる一番最初の初期状態。
前の日には学校にいくと言いながらも朝になると起きれないのも特徴です。
この段階では親と子どもの衝突が激しく、親としてはこのまま学校にいけなくなったらどうしようと強い不安に駆られます。
学校に行けない子どもに対してかなり厳しい対応をしたり、引きずりまわしたり取っ組み合いになるようなことも珍しくなく、強い登校刺激を与えても状況は悪化するばかりです。
互いに涙涙で途方に暮れてしまい、互いのストレスと疲労は非常に高い状態にあります。

2.葛藤期

子どもにとってはなんとか学校に行こうという気力も完全に消え失せ、完全なる不登校になった状態です。もう精魂尽き果てて体力も精神力も使いきったとも言えます。
この辺りから、昼夜逆転にゲーム依存、ネット依存、生活習慣の乱れが目につきます。
親は学校への連絡と対応がプレッシャーになり、また夫婦間の関係も険悪化するケースがあります。学校に行けなくなって昼夜逆転、不登校でネットゲームばかりしている子どもにイラつき、優しく受け入れようとする一方でこれらの状態を治すよう、またもぶつかり合いが続きます。

3.安定期(充電期)

子どもは学校にいくきっかけを完全に失い、もはやどうしていいのか途方に暮れる時期です。
その一方で暇を持て余し、何もやることがない日々に苦痛を感じ始めます。
「今日もひまだなあ」、「何かやることない?」という言葉が出始めます。
ある程度休息がとれたことで精神的には安定しており、趣味や好きなことにひたすら没頭する時期です。
子どもにとって不登校中の居場所が安全に確保されいれば、この段階に推移してきます。
ゲーム、ネット、昼夜逆転はまだ続きます。
親はここでようやく不登校の現実を受け入れますが、元気で暇を持て余している子どもの姿を見て「なぜ学校に行ってくれないのか」と葛藤します。
また世間の目が気になったり、何か悪いことをしているような罪悪感を持ちがちになります。
学校のことは引き続き子どもと話せない状態ですが、それ以外なら冗談も言い合ったりが出来るようになります。
親はこの辺りで適応指導教室やフリースクールなどの支援先を探し始め、子どもにそれとなくその存在を知らせ始めます。
決して強制しない範囲で、「学校に行かなくてもいいからこういう所があるみたいよ」と知らせるようになります。
悩みを一人で抱えきれない場合は、不登校の親の支援も必要です。
いろいろな所に相談に行ったり、話を聞いてもらうのは勇気がいりますが、出来るだけ親の不満と悩みも吐き出しておきたいです。

4.始動期・第二葛藤期

子どもは「このままではいけない」という焦りを行動に移し始めます。
学校にはいけなくとも、フリースクールや適応指導教室など不登校支援の場所に足を向け始める時期です。
学校と家庭以外の外部との繋がりの重要性を子どもも感じているので、葛藤はするものの何らかの行動を起こしてきます。
中にはそういった支援先ではなく保健室などの別室登校を始めたり、塾に行き始めたり、ネットなどで知り合った共通の趣味を持つ友人なんかと会う子もいます。
ただその一方で不登校が長期化したことに対し「自分は普通ではない」、「なぜこんなことになってしまったのか」という強烈な自己嫌悪と後悔、劣等感との葛藤もあります。
この段階での親は焦りがあるものの、状況が変化しつつあることを感じ取ります。
親としても本音では学校に行って欲しいけど、でも子どもの変化を褒めるようになります。
この「子どもの良いところを探して褒める」という、教育の大原則の基本をどれほど自分がやってこなかったのかに気づきます。

5.活動期

自分なりに色々と行動を起こしてきて、徐々に自信を回復してきた結果、学校復帰や進学などの大きな行動に出ます。
つまり社会復帰の第一歩をようやくここで踏み出す時期です。
きっかけは学期の変わり目や新学年などの節目である場合や、なんの脈絡なくいきなり学校へ行くというケースもあります。
最初は少し行動するだけでも疲労困憊になりますが、もうあんな状態には戻りたくないという意識が強い分、フラフラになりながらも倒れない範囲で頑張っていきます。
時々休みながらも、徐々にペースを掴んで復帰していくことが多いです。
親はここらでようやく安心というところ。
子どもがいきなりこの大きな行動に出ることもあり、親としては拍子抜けや面食らうことも少なくありません。
なんとかダウンせず続けて欲しいという願いが強く、子どもがちょっと休むと焦りがちです。
「焦らず焦らず!焦っちゃダメ!」を自分に言い聞かせながら、子どもを見守ると同時に、ようやく大きな第一歩を踏み出した子どもに心の底から安心と感謝の気持ちがいっぱいになるでしょう。
「不登校でも子は育つ」より抜粋させていただきました。

不登校でも子は育つはこちら

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-教育

執筆者:

関連記事

学校に行っていない子たちからイノベーションが生まれる

『不登校』を『不幸』にしない異才発掘プロジェクト「ROCKET」が素晴らしい!にも書きましたが、中邑賢龍さんの”異能”が育まれる環境についての中で語られていることをまとめました …

臨時休業等に伴い学校に登校できない児童生徒の指導要録上の出欠の扱い等について

新型コロナウイルスの感染拡大予防のために、政府が全国一斉の緊急事態宣言を発表しました。 鳥取県内でも4月18日に2例目3例目の新型コロナウィルスの感染者が確認されましたが、4月27日から5月6日まで小 …

LD(学習障害)のある子も「できる子」として接すること

すべての子どもが「勉強したい!」「できるようになりたい!」と思っています。向学心、向上心のない子どもは一人もいません。 しかし、一斉一律学習によって勉強が嫌いになる子どもがたくさんいます。 学校の教室 …

「気づかれない発達障害」が児童虐待につながる

児童精神科医の杉山登志郎さんの話から ・学校へ行くことが目的ではなく、大事なのは学校で何を学ぶかということ。だから、選択の基準は、授業に無理なく参加できるかどうか。 ・学校で社会に適応するための訓練を …

自閉症スペクトラム(ASD)児者の聞こえ方を疑似体験してみる

自閉症児者の多くは、聴覚や視覚の情報を必要以上に拾いやすいといわれます。 いつも聞いている音が元々の聞こえ方なので、本人も聞こえ方に問題があることに気付きにくく、さらに定型発達の方には理解しにくいので …

スポンサーリンク

スポンサーリンク