教育

倉吉こども未来フォーラム「いじめを許さない」とはどういう意味?

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昨日は、倉吉未来中心で「いじめに関するフォーラム」に参加しました。
会場についた途端、とても残念なことがありました。
会場に入りきれない人たちがロビーに80人くらい溢れていました。
会場の様子は小さなテレビモニターで映し出されていましたが、音はほとんど聞こえてきません。
しかも、-5度の寒波の中会場とは違い、ロビーはとても寒かったです。
就学前の子どもや高齢者の方もおられましたが、寒い中で声が聞き辛いにも拘わらず一生懸命に耳を傾けられていました。
主催者がどのくらいの参加者を想定していたのか分かりませんが、このような事態を考えてもっと配慮が必要だと感じました。
そして、渡部陽一さんのトークショーが終わると、半分の人たちが帰ってしまったことがとても残念でした。
この会の目的は、「いじめ問題への関心を高め、いじめの防止のために私たちに何ができるのか考え行動する」ことです。
学校における中学生やPTAのいじめ未然防止の取り組み発表を聞き、参加者がパネルディスカッションの中で意見交換をすることの方が主体です。
県民が一堂に集まっていじめについて意見を述べ合う機会はほとんどありません。
今回はせっかくの機会だったのですが、とても残念に思いました。
しかし、半数の人は最後まで残り各自が考えることができたことは良かったと思います。
中学生やPTAのいじめ未然防止の取り組み発表では、各学校の実践報告がありました。
それぞれの中学校で生徒会が中心となっていじめに取り組んでいたり、上灘小学校でのPTAとして年間を通じたいじめ問題への取り組みが発表されました。
生徒自身が取り組みを考え実行していること、PTAとして学校全体でいじめ対策を行っていることは大変よいことだと思います。
それぞれ、自分の作ってきた資料を使って自分の言葉で伝えていて、日ごろの様子も分かりました。
その後、中部の中学校と高校の代表生徒と渡部陽一さんを交えてのパネルディスカッション。
各学校で率先していじめ解消に向かって取り組んでいる生徒の中から代表で来ているだけあって、皆が自分の考えをもち、自分の意見を大勢の人たちの前で堂々と発表していました。
彼らの勇気に大きな拍手を送りました。
その中で発言の機会があったので、このような意見を言いました。
(会場の参加者で発言したのは私ともう一人の女性の2名だけでした。)
はじめに、生徒たちに2つの質問をしました。
1.学校は楽しいですか?
2.学校生活や暮らしの中で不満はありませんか?
パネラーの生徒たちは、全員「学校は楽しくて不満はない。
」という返事でした。
会場の生徒たちにも聞いたところ、「学校は楽しくて不満はない。」という子が多かったです。
つまり、彼らは「いじめられたことがない」子どもたちです。
今日の会には「学校は楽しくない、不満や不安がある」という子は参加していないと思いますので、当然の返事だとは思いましたが、全員がそうだというのに、私は少し違和感を感じました。
さらに、いじめについての私の考えを言いました。
「いじめはしてはいけない」「いじめは許してはいけない」ということは、多くの人がそう思っている。
しかし、いじめはなくならない、いじめによって自殺する子が増えている。
「いじめを許さない」とはどういう意味?それは具体的にどんな行動として表せるのか?
「いじめを許さない」と思うだけではいじめはなくならない、「いじめを許さない」と呼びかけるだけではなくならない。
生徒と保護者がいじめ問題を考えているが、いじめが一向に減らない、なくせないのはなぜか?
それは「いじめを許している」から、いじめの加害者を逃がしているから。
いじめの議論をする場合によく出てくるのが被害者、加害者、傍観者の3つの立場、そして「傍観者も加害者である」という展開。
しかし、いじめはこんな単純な構造ではない。
しかも、「傍観者も加害者である」というのは、いかにも教科書的な画一された論議である。
「傍観者には、加害者も被害者もいる」
「傍観者の他にいじめを許している存在がある」
ということも含めた議論が必要である。
2013年に「いじめ防止対策推進法」が制定され、各自治体ではいじめが発覚した時点で「いじめ対策委員会」が設置され、国民あげていじめ解消に取り組もうという動きが始まった。
しかし、いじめによる子どもの自殺は増加し続けている。
自殺した子の保護者は、その痛み、苦しみを一生抱えなければならないが、加害者側は普通の暮らしを続けている。
法律で定められたにも関わらず、現状は悪化するばかり。
いじめをするのは加害者にとって「得」があるためである。
他人を見下すことによって優位に立ちたい、他人をいじめることは「損」しないどころか、いじめという行為が加害者にメリットがあるためであることに気づかなければならない。
「損・得」という表現は適切ではないかもしれないが、いじめることによる優位性、優越感があることも知っておいてほしい。
このような考え方や損得感情を変えていかない限り、いじめはなくせない。
「いじめを許さない」とは、「いじめは犯罪である!」という強い認識をすることから始めるべきである。
今の現状を見る限りでは、いじめを軽く見過ぎている。
いじめは犯罪であるのだから、加害者に厳しい罰を与えるようにしなければいけない。
それが、「いじめを許さない」ことを実行で表すことになる。
一人ひとりが「いじめを許さない」と思っているだけ、「いじめをやめよう」というだけではいじめはなくならない。
「いじめは犯罪である!」から罰せられる、いじめはなんの「得」も得られないという仕組みを作っていく必要がある。
法律ができた後も、いじめを受けていた生徒の自殺が相次いでいる。
今年に入って1ヶ月経たないが、子どもの自殺は次々起こっている。
「いじめを許している存在」の一つが、教育行政と学校現場だ。
子どもの教育に直接かかわっている人たちが、いじめを許している。
・教職員がいじめに気付けなかった、気付いていても学校全体で対応しなかった
・生徒はいじめや自殺について示唆していたのに、情報を教職員が共有できていない
・法律で決めた対策の形骸化が懸念されている
・いじめ被害者は逃げ場がなく、加害者は教室で普通に学校生活を送っている
など、いじめをあまりにも軽く見過ぎていることが問題である。
今回は「生徒の意見を聞く」ということが目的だったかもしれないし、子どもたちが自分たちで問題解決しようとする姿は素晴らしい取り組みである。
しかし、いじめは子どもたちだけで到底解決できるものではない。
また、学校の教職員や保護者だけで解決はできない。
学校での「いじめ事件」に積極的に司法や警察の介入をしていき、「いじめは犯罪である!」という強い認識をし、加害者を厳しく罰する必要がある。
それと同時に、「いじめを許している存在」教育行政とが学校現場に対して、その取り組み方に注目し、きちんとした対処ができているのか、地域の目でチェックをし続けていく必要もある。
子どもを守るのは、私たち大人の責任である。
大人として「「いじめは絶対に許してはいけない!」ために教育行政とが学校現場に関心を持ち意見を言う、「いじめは犯罪である、加害者に罰を与える」ことを実行していかなければならない。
このような私の意見に対して、渡部さんからこんな意見をいただきました。
「子どもを取り巻く痛ましい事件が起こっているが、日本は以前と比べたら社会をよりよくしていこうという機運も盛り上がり、社会を変えていこうという雰囲気も出てきている。
司法や警察の介入については過渡期にあると思う。
今後いじめの解決に向かって司法や警察の介入も含めて社会全体で取り組んでいくことが必要だ。」
いじめは国の問題です。
そのためにこのフォーラムが行われました。
しかし、それで終わりではありません。
今回は、参加者の発言は2名だけだったのが残念でした。
一般の生徒たちからの意見も聞きたかったのですが、それもありませんでした。
今後もこのような会は開催されると思いますが、もっと広く県民の意見を聞いて、それらをみんなで共有していくこと、そして、それぞれの立場でいじめ解消に向けてできることをしていくことが大切です。
本当は、もっと発言したいことがあって何度も挙手したのですが、司会者からその機会はもらえませんでした。
今日参加した子どもたちに伝えたいことがあったので、ここに書いて伝えます。
君たちは「学校が楽しい、不満はない」といっていました。
もしかしたらそうではないときもあるのではないでしょうか。
そして、君たちの学校には「学校が楽しくない、つまらない」誰にも話ができなくて困っっている友だちも大勢います。
一人で悩み苦しんでいる友達がいます。
君たちが彼らに声をかけてください。
彼らの思いに気づいてあげてください。
それが、友だちに寄り添い、いっしょに考えることになります。
君たちは、「孤独な人を作らない、みんなが楽しい学校にしていきたい」といっていました。
また、君たちだけでは解決が難しいこともたくさんあります。
そのときは、近くに居る大人、親や兄弟、学校の先生、近所のおじさん、おばさんなど、話ができるひとに相談してください。
君たちだけで解決しようとするのではなく、大人に相談して「助けて!」と伝えてください。
君たちの周りには、一生懸命に生きている大人もたくさんいます。
家族や学校の先生を信頼して、君たちの方から話しかけてください。
今日の君たちの勇気のある発言や行動は、きっと誰かの勇気につながるはずです。
このような中高校生のいる鳥取県の未来はきっと明るくなると思います。
そんな子どもたちを守っていくのは、私たち大人の責任です。
大人も大人の責任で、みんなが住みよい、楽しいと感じる社会を作っていかなければなりません。
今日の参加者の一人ひとりが自分のできることを少しでも実行することでいじめの解消につながっていくと信じています。
「こども未来フォーラム~ひとつの勇気からSTOPいじめへ~」
日時:平成28年1月24日(日)午後1時30分~4時30分
場所:県立倉吉未来中心 小ホール
内容
1.戦場カメラマン渡部陽一(わたなべよういち)氏のトークショー
2.「笑顔でつながる缶バッジデザインコンクール」優秀作品の表彰
3.学校におけるいじめ未然防止の取り組み発表
 ・中部地区中学校
 ・PTA
4.パネルディスカッション
 パネラー:中部地区中学生、高校生
  ゲストコメンテーター:渡部陽一氏

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