二十歳の誕生日に買った松本 亨の「英語と私」。
今読んでもとても新鮮で、というか今、学校で英語教育が推進されている中で考えさせられる内容が多い。
読み返してみると、実に面白い。
新刊書もよく読むのですが、最近の本は「売れるか売れないか」が基準となっていて、読者に受けるかどうかで編集されている本が多い。特にハウツーものに多い。だから、告知を見ると面白そうだと思っても実際に読んでみるとつまらない本が多い。
その点、昭和の本は読者受けなど狙わないで、著者のこだわりや主張が強いので深く、読みごたえがある。
その中でもこの「英語と私」は圧巻といっていい本の一冊といえる。
日本人ほど英語を勉強している国民はいない。しかし、世界一英語でのコミュニケーションが下手なのが日本人。
日本人は「英語を勉強すること」自体が目的になっている。
日本では英語学習そのものが大きな市場となっていて、得しているのはそれを供給する側になっている。
いわゆる「コンプレックス克服商材」のひとつなのです。
そして、その商材が学校という大きな安定市場に入り込んでいる。それが現実であり、真実です。
英語はあくまで自分の表現手段のひつつのツール(道具)である。
「英語を話せる」ことが目的ではなく、相手とコミュニケーションすることが目的なのだ。
自分を表現することが目的なのだから、お手本になるのは「出川イングリッシュ」だ。
この本の初版は昭和33年ですが、松本さんはその当時から日本の読み書き中心の英語教育についての問題点を指摘しています。
今学校で行われている英語教育を見たら、彼はどう思うでしょうか?
目的を見失った勉強ほど意味のないことはありません。
ちなみに、当時750円だったのが2000円以上で出品されていました。
絶対売りませんけどね。
Voice of Americaは英語学習者向けにピッタリのヒアリング教材
そういえば、当時は英語に興味があったのでラジオの短波放送でVoice of Americaを聞いていました。
Voice of Americaというのは、アメリカのニュースサイトですが、話すスピードがゆっくりなので、日本人のヒアリングにはちょうどいいです。
ということで、ネットで調べてみたら「Let’s Learn English 」というコーナーが作られています。
英語学習者向けに速度を落として放送してくれるコンテンツがたくさん用意されています。
学生の時にはフランス人講師の人と話すのが楽しかったのですが、今ではほとんど覚えていないのが残念です。
自転車や水泳などは一度できるようになったらいつでもできるのですが、言葉は普段使ってないと忘れちゃうもんだとつくづく思いますね。