暮らし

心に寄り添うのは安易な希望の言葉ではなく、絶望し続けたカフカの言葉(頭木 弘樹)

投稿日:

心に寄り添うのは、安易な希望の言葉ではなく、絶望し続けたカフカの言葉
「将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。」
「『立ち直らないといけない空気』に苦しんでいる人も多い」
「立ち直ること前提の政策より、『倒れっぱなしの人』に向けた政策を大事にしてほしい。」

将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。
(婚約者への手紙)
「絶望名人カフカの人生論」(頭木弘樹さん著)

・ミルクのコップを口のところに持ちあげるのさえ怖くなります。そのコップが、目の前で砕け散り、破片が顔に飛んでくることも、起きないとは限らないからです。(恋人への手紙)
・ぼくはひとりで部屋にいなければならない。床の上に寝ていればベッドから落ちることがないのと同じように、ひとりでいれば何事も起こらない(婚約者への手紙)
・人間の根本的な弱さは、勝利を手にできないことではなく、せっかく手にした勝利を、活用しきれないことである。(断片)
「絶望名人カフカの人生論」(頭木弘樹さん著)

「人生で倒れてしまった時、普通は『どうしたら立ち直れるか』と考える。でも、絶望的な時は、立ち直りたくても無理なことが多い。だから、方法論的なものより、倒れっぱなしの人を肯定してくれる言葉もあってもいいんじゃないかと」
「立ち上がりたくても立ち上がれない自分にとって、『倒れたままでいい』というメッセージは、どんな言葉よりも救いになったのです」

コロナ社会でも、広がる「立ち直らないといけない空気」。その背景には「コロナ前が正常で、コロナ後は異常」という考えがあるのだと、頭木さんは指摘します。
「確かに『コロナ前』の価値観で見ると、引きこもって何事もオンラインで済ますのは『人間性がない』のかもしれません。でも、我々はもう『コロナ前』には戻れないのだから、『コロナ後』の価値観で物事を見ていく必要があるのです」



「絶望名言」著者が警告、コロナ禍の「立ち直らないといけない空気」

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-暮らし

執筆者:

関連記事

「一流大学を出て一流企業に入れば安心」という洗脳をされやすい理由とは?

「幸せは一流大学に行って、一部上場企業に努めてこそ得られる」「頭のいい人は、田舎にいるよりは都会に出るべき」「第一次産業よりは、第二次産業や第三次産業の会社でサラリーマンをすべき」などの日本人の価値観 …

緊急事態宣言の発令、コロナ禍が国民の健康と生命に甚大な脅威とは思えない

今の日本で、コロナ禍が国民の健康と生命に甚大な脅威なのか? 「緊急事態宣言の発令」に関して、私も長谷川さんと同じ考えです。 これでは感染拡大は止められないし、小売店、飲食店、中小企業の倒産は増え、生活 …

要請だけで自粛する「自分以外みんな監視者」の社会

特に日本人は他者に管理されることで安心感を得ていると思います。 同調圧力、監視社会、自粛警察、それは日本の学校教育が元にあると思います。 子どもをカースト下に置き、理不尽な校則で縛り、時間的物理的な自 …

障害はひらがなにしない「障害」でいい、アメリカでは障害者を「弱者」と呼ばない

障害は本人にあるのではなく、社会の側にある。 だから、ひらがなにしない「障害」でいい。 問題なのは、「障害者は劣っている」という見方、考え方です。 物理的なものだけでなく、このような見方や考え方も含め …

今ここにいるだけで100点満点、みんなが生きることに十分頑張っている

一年の終わりに近づくと、今年は「何に頑張った」とか「これができた」とか振り返りますよね。 「今年は○○にがんばったなあ。」 「がんばって○○ができるようになった。」 「できなかったことができるようにな …

スポンサーリンク

スポンサーリンク
21世紀の松下村塾 教育相談無料