教育

不登校は絶対悪ではない 不登校は生活の支障を訴えるSOS

投稿日:

竹内さんの話は分かりやすく、とても共感できます。

児童精神科を受診する症状では、「不登校・通学しぶり」がトップですが、不登校だけの症状による受診は稀です。
不登校は絶対悪ではありません。不登校は「氷山の一角」とも呼べる状態であり、さまざまな心理的要因、子どもの貧困や被虐待などが背景にあります。
渦中の子どもや親は予期不安にかられ、不登校児童はすべて社会人になってもひきこもりに発展すると思いこみ、不登校を「社会的自殺」のように深刻に考えがちです。
毎朝、通学刺激にさらされて、身体は休んでいても心は休めずに、不快で落ち着かない状態に陥り、結果として長期欠席が続いてしまう子どももいます。
当事者の視点から私たちは学ぶ経験が必須と思われます。
教員、教育関係者や心理士、福祉関係の専門職種に対し、啓蒙・啓発活動をして、さらに「言い合える仲」に醸成していく地域力の伝承が重要です。地域によっては職種の不在やアクセスの不便さなどの問題もあり、相性のよい関係ができる立場の人が集まって、とりあえず子どもを支えているのが実際です。当事者に媚びるポピュリズムではなく真摯に向き合いたいものです。

・不登校も「学校へ行く⇔休む」の二項対立から離れ、より広い視野での「教育保証を当事者が選択できる」社会作りが望まれる。
・不登校の”治療”ではなく、不登校を抱えた子どもや親に関心を払うことが重要。
・不登校は絶対悪ではありません。不登校は生活の支障を訴えるSOS。
・地域との交流や、家庭外に居場所ができることは、子どものメンタルヘルスの支援のために重要。
・「学校の教育力」とは、制度だけではなく、「運用する人間の総合力」。
・研修の知識よりも「社会に生きる人々と出会う」ことが大切。
・「高校中退」には学校教育制度や進路指導が反省すべき問題の萌芽がひそんでいる。通学刺激や中退阻止のみに強迫的に立ち向かうことが学校の役割とはいえない。
・専門職種だけではなく、PTA、自助グループなど、知人同士ではない者同士が連携する「開かれた会」へ発展させていく過程こそが地域力になる。
・教員、教育関係者や心理士、福祉関係の専門職種に対し、啓蒙・啓発活動をして、さらに「言い合える仲」に醸成していく地域力の伝承が重要。
そんなネットワークを鳥取県でも作っていきましょう!
児童精神科からの提言-子どもの心を地域力で守る
(竹内 直樹 元横浜市立大学附属病院児童精神科診療部長、准教授)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-教育

執筆者:

関連記事

iPadの学校への持ち込みの理解を得るために必要なこと

LD(学習障害)のある子や、集団で学ぶことに困難さのある子でも、iPadやパソコン、デジカメ、ボイスレコーダーなどのICT機器を使った合理的配慮で、自分の苦手を補い、可能性の扉を拓いていくことができま …

オランダ・イエナプラン教育「明日の学校に向かって」

日本の学校教育は時代錯誤そのものです。 それは子どもの事実、今の日本社会の状態が見せています。証明しています。 それに気づいている人たちはすでに変え始めています。 だから今、新しい学びの形がもとめられ …

五味太郎氏が語る「構造を変えるよりも明るく逃げよう」

ホント五味太郎さんの言う通り。 社会構造を変える、学校システムを変えるなんてこと考えなくていい。 学校に行きたければ行けばいいし、行きたくなければ別に行かなくてもどうってことない。 学校に行って無駄な …

就職でも進学でもない、高校卒業時の進路決定を認めた東京都立秋留台高校

多様な生徒のニーズに応えるため、進路決定もまた多様性が保障されているのであれば、生徒にかかわる先生や関係者は、時間的制約から一定程度解放され、中長期の視点で生徒の進路を考え、向き合うことができるのでは …

発達障害と不登校体験のお父さんの物語

発達障害の理解のなさから、「問題行動」「怠けてる」とレッテルを貼られ、「努力が足りない」と努力しても成果が出ない絶望の中で苦しむ子どもたちに、今私たち大人ができることはなにか? そんな問いかけや気づき …

スポンサーリンク

スポンサーリンク
21世紀の松下村塾 教育相談無料