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江戸川区ひきこもり全数調査批判、ジャーナリスト批判

投稿日:2022年6月12日 更新日:

「ひきこもり」についての認識や考え方は鳥取県行政でも同じようなことがいえる。
支援が必要なのかどうかは本人が決めることであり、行政はそれに対する「準備」をしっかりしておくことだ。
しかし、鳥取県でも「利用頻度が少ない」「当事者からの要請がない」という理由で事業を中止したり縮小しているケースが少なくない。
つまり、行政としては「現在利用がないのだから必要ない」という考え方なのだ。
つまり事業実績がないものは終了するという考え方、方針なのだ。
そうではなく、今現在利用があるかどうかではなく、「いつでも利用できるように用意しておく」べきなのだ。
実際、「行政に相談した結果、さらに不安が大きくなった」「もうどこにも相談したくない」さらには「逆に問い詰められて突き返されただけだった」という話を聞くことも少なくない。
「独りで悩まないで助けを求めて!」と言われても、このような対応では二度と相談することはないだろう。それで導いた結論は「もう誰にも頼らない」「諦めた」。
そうやって心はどんどん折れていくばかりなのだ。

「当事者」への対応への疑問、違和感。
そもそも「支援機関」は当事者の思いやニーズをしっかり聞いているだろうか?
私も担当者と何度か話をしたことがあるが、彼らは本当に「聞くだけ」、耳には聞こえているが右から左、その場限りであることが多い。
訪ねたことや要望への回答がないことすらある。
つまり、「聞き取りをした」「調査をした」という事実を作ることだけが目的化している。
これは行政だけではなく民間の「支援施設」にも同様なことがいえる。
「支援する側」の自己満足でやってはいないか?
施設側の実績作りが目的になっていないか?
そんなところには誰も行きたくはない。

当事者のニーズに応じた対応ではなく、行政支援は「行政側にとって都合のいい対応」なのである。
そもそも、行政は当事者の思いやニーズをしっかり聞いているだろうか?
私も行政担当者と何度か話をしたことがあるが、彼らは本当に「聞くだけ」、耳には聞こえているが右から左、その場限りであることが多い。
訪ねたことや要望への回答がないことすらある。
つまり、「聞き取りをした」「調査をした」という事実を作ることだけが目的化している。
さらにひどいことに、江戸川区では「個別にさらに詳しいアンケートを送って慎重に状況の把握を進める」という。
長年、ひきこもりの問題を取材してきたジャーナリストの池上正樹さんは、この調査を「非常に画期的だ」と話している。
たしかにこれまで「聞く耳すら持たなかった」「調査すらしていなかった」行政としたら「画期的」なのかもしれない。
しかし、このような人権侵害ははなはだ問題だと思う。
ものすごく差別意識を感じた。
「ひきこもり」を行政側にとっての問題行動だという認識がまず間違っている。
「ひきこもり」を解決し関係を終結させることを目的化するのではなく、「ひきこもっている今」を認めること
「人間は他者とのコミュニケーションが必要である」という前提ってどうなんだろう?
そんな前提からスタートするから関係性をどうにかしようってなるんだよなあ。
別に独りだっていいじゃん。

ちなみに、調査の中で、当事者のニーズで一番多いのは「何も必要ない、今のままで良い」の32%だったということだ。
彼らは彼らなりに「自己解決」できている場合もあるということだ。
しかし、だから何もしなくてもいいのではない。
行政による調査とはどんな意味を持つのか、そしてそれへの対応はどうなのか、もっともっと当事者の思いに立って想像力を働かせて取り組むべきである。

江戸川区ひきこもり全数調査批判、ジャーナリスト批判

池上正樹さんの意見はこちら
東京・江戸川区 ひきこもり 顔の見える大規模調査

調査目的ならばアウトリーチは良いのか ~江戸川区ひきこもり実態調査がもたらした今後の課題~ 第1回

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