学校や教員は、ありとあらゆることを引き受けている。
子どもたちが学校にいたからこそ、家事や仕事ができていた。
子どもたちの勉強から生活までを引き受けていることで、親たちは仕事に専念することができる。
親も会社も、学校や教員に依存することで社会が成り立っている。
親や会社をはじめとする社会が学校に依存している構造が、教員を過重労働に追い込んでいる要因になっている。
一斉休校と学校再開であぶり出された教育現場への過剰な依存
「インパール作戦」の失敗がいま、教育現場でも繰り返されてしまう。
「学習に著しい遅れが生じることがないように」
「休校による学習の遅れは認めない。さらには遅れた分は補習や宿題でカバーしろ」
文科省の無謀な作戦で教員はさらに疲弊してしまう。
文科省、教委のバックアップも絶望的。
そして「定額働かせ放題」が一段と加速する。
その向こうには子どもたちがいる。
もちろん、補習や宿題に追われる子どもたちの疲労も相当なものになります。
こんな、実行不可能な過酷なミッションを押し付けられても、子どもたちのために日夜奮闘している先生方には頭が下がります。
さらに過酷なミッションを教員に押しつける文科省
民間企業にくらべて学校という職場が魅力に欠けていることが最大の原因だろう。
こうした数字を並べてみると、あらためて「教員人気の低下」を実感させられる。そして、その人気低下には、学校という職場の「過酷」さが大きく影響してもいる。
体調がすぐれないなかで我慢して教壇に立ち、ついに力尽きて休職する。「休職しないまでも体調不良を訴える教員はごろごろいるし、いつ休職してもおかしくない教員も珍しくありません」と、ある公立小学校の教員は言った。
学校という職場は病んでいる。そんな職場を就職先として望むほうが、奇特なのかもしれない。倍率が、受験者数が、と騒ぐ前に、「学校の病を治せ」の声を大きくするほうが先なような気もする。
そして、人を集めたいならやはり待遇が重要である。人材確保のために好待遇を呈示する民間企業が増える傾向が強まっていくなかで、教員の待遇改善はなかなかすすまない。
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執筆者:azbooks