12月1日の第2回鳥取県民のつどいまで5日となりました。
参加申し込みをしていただいた方ありがとうございます。
不登校の児童生徒数は2018年度は過去最多16万人超、鳥取県では約1000人となっています。
「学校に行かないこと」は決して問題ではありませんが、そのことで子ども本人が自己肯定力を下げてしまったり学校の他に行く場所がないことなどに問題があります。
文科省は、今年10月25日に「これまでの不登校対応を転換させる通知」を全小中学校へ向けて出しました。
これまでの不登校対応は、子ども本人の気持ちや事情を無視して学校へ来させようとしてきました。この「学校復帰前提策」によって辛い思いをしている子どもたちはたくさんいます。
学校に行くことは数ある選択肢のひとつでしかありません。私自身も教員をしていたときから「子どもが嫌がっているのに、なぜ学校へ戻すことばかりが重要視されるのか」と疑問に思っていました。
しかし、いくら教員が疑問に思っても「学校復帰前提策」が強調されていたため、学校現場ではそれをやめることができなかったのです。それが今回の通知によって、「学校復帰前提策はやめて、その子にとって適切な教育環境を整備すること」が学校現場に「はっきりと」求められたのです。
この文科省が「新たに求めている不登校対応」とは、「不登校支援は学校復帰よりも社会的自立が目標である」というものです。
言い換えれば「子ども一人ひとりの自己肯定力を育てるよう個々の目的に応じた学びの環境を社会が整備する」ことが目標だということです。
実は文科省はこれまでにも「不登校は問題行動ではない」という通知を出していましたが、現在もそれが学校現場にまで浸透しているとはいえません。
さらに、学校以外の場が整備されていないこと、学校に行かないと内申点などその後の進学の際に不利益があることが大きな課題です。
現実としてはフリースクールや教育支援センターもまだまだ数が少ないです。さらに、自宅で学べるICTなどを利用した通信教育の広がりが求められます。自宅で勉強をしたことを校長判断で「出席扱いにする」という措置は、現段階でも認められています。
国(文科省)レベルではとっくに「不登校は問題行動ではない」「学校以外の場が必要」「ICT活用の自宅学習も条件付きで出席扱いとする」としています。
この3点を一刻も早く学校現場で実現し、社会的に認識されることが求められます。実現に向けてはいろいろな課題もありますが、今回の鳥取県民のつどいではそのために大きな一歩を踏み出します。
12月1日に開催する鳥取県民のつどいではこのような課題について参加者のみなさんと語り合い、「学校だけがすべてではない」という認識を広げ「学校の他の学びの場創り」の実現に向けて意見交換をしたいと思います。
全体会と第二部の大人分科会はまだ余裕がありますので、みなさんおいでください。
文科省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日