教育

ICT機器の活用もコミュニケーションを楽しむことが目的

投稿日:

日本語を勉強する目的は、言葉を通じて相手とのコミュニケーションをするためです。
英語を学習する目的は、英語圏の人たちとコミュニケーションをするためです。
音楽を勉強するのは歌を歌ったり、楽器を演奏することを楽しむためです。
しかし、漢字や文章が書けなくても相手とのコミュニケーションはできます。
従来通りの読み書きができなくても可能です。
英語が話せなくても英語圏の人たちとのコミュニケーションも可能です。
譜面が書けなくても読めなくても、音楽の演奏を楽しむこともできます。
つまり、「自分に合った」伝達方法や表現方法があれば、相手に伝えることだって自分で楽しむことだってできます。
決まりきった語学や音楽の勉強をしなくても、目的を達成することは可能です。
語学や音楽の勉強をすることが目的ではなく、いろいろな方法を使ってコミュニケーションや音楽を楽しむことが目的なのです。
学ぶことに困難さがある子にとっても、その学習方法はいろいろあります。
例えばIT機器の活用も、それらと全く同じなのです。
情報の入力(インプット)と表現したいことの出力(アウトプット)の手段は1つではありません。
残念ながら、学校では限られた入力と出力の方法しか許されていないため、本人の能力や才能を正当に評価されない場合が多くあります。
みんなと同じ手段しか使えないとすれば、その子のもっている能力を発揮できません。
その子の備えている才能も見つけることもできません。
自分で好きなことを学びたい、好きな仕事をしたいと思っていても、入力と出力の方法が不十分なために「読み書きが困難だから」「勉強が分からないから」「頑張っているけど無理」として諦めている、諦めさせられている人がいるのは社会の損失です。
視力の弱い人がメガネをかけるのや、足の不自由な人が車いすを使ったりするのと同じように、学ぶことに困難さがある子がIT機器の活用によって学習することが楽しくなり、表現することを認めてもらうことで自信がつきます。
そして、さらに学ぶ意欲が向上していきます。
彼らが社会で活躍できるようになれば、多くの人たちに幸福をもたらします。
今、学習困難な子の学校へのiPadの持ち込みについて、学校に行き辛い子に対する学校環境の改善についての学校との交渉、中学校卒業後の進路選択、職場で悩みを抱えている若者の転職相談をしています。
そのどれにも共通していることが、受け入れ態勢が不十分だということです。
それぞれの場に置いて様々な理由や都合があるのでしょうが、受け入れ先の対応次第ではすぐにできることもあります。
「本人にとってどうするのが一番いいのか」という考え方をすれば、答えはすぐに出せることばかりなのです。
彼らを受け入れる環境を整えることによって後に続く子どもたちの道を切り開くことになると同時に、受け入れ先にとっても経験として次に活かせるはずです。
それは、地域貢献、社会貢献につながっていきます。
コミュニケーション方法は画一的なものではありません。
表面的な言動だけを見聞きして、子どもの評価をすることは間違いです。
まずは、さまざまな表現方法や伝達手段があることを知り、その全てを認めること、そしてその子の背景や行動の裏にある理由の理解を深めることによって、その子の存在そのものの価値が見えてきます。
その結果、お互いのコミュニケーションも豊かになっていきます。
日ごろ子どもたちと対面する教員はもちろんですが、すべての人がそれを知ろうと努力をすることで人間関係も円滑になっていくのではないでしょうか。
これからも、引き続き受け入れ先の理解を進めていきます。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-教育

執筆者:

関連記事

繰り返される教員の暴言・暴力を止め、子どもを守るには何が必要か

こんなことが許されるはずがないですよ! 「教員による児童への虐待が司法の場にまで持ち込まないと解決できない」ということが現実に起こっています。 子どもたちが学校でこんなひどい目にあっているのは、他県の …

知的障害の診断・検査の内容と相談窓口

来年度小学校入学を前にして、障害のある子どもさんの就学先について悩んでおられる親御さんもあると思います。 倉吉市の小学校でも平成29年4月に入学するお子さんの就学時健康診断(内科検診、歯科検診、適応検 …

不登校の子どもが危ない! STOP!「多様な教育機会確保法」

断固として白紙撤回を求めます! 【ご報告】3月8日FS等議連ヒアリングにて法案を夜間中学と分けて白紙に戻すことを意見表明しました 2016年3月8日に、超党派フリースクール等議連・夜間中学等義務教育拡 …

学校は通常通り、行くか行かないかは自分で決めるのがいい

全国すべての公立小中高校を週明けの3月2日から休校とする。 当面、春休みまでとするという首相表明がありました。 ですが、自治体によっては休校にしないところもあります。 学校は通常通り、行くか行かないか …

家庭でゲームOKの子どもの方が勉強への集中力が高く、宿題も計画的で自主的

朝日小学生新聞「子どもとゲーム」実態調査リポートによると、小学生の読者その親を対象に家庭で遊ぶゲームについてのアンケート調査を行いました。 その結果、家庭でゲームを楽しむ子どもはゲームを禁止されている …

スポンサーリンク

スポンサーリンク