教育

「教育の機会の確保等に関する法案」はフリースクール容認断念

投稿日:

この法案はフリースクールや自宅での学習が市町村教委に認定されれば、学校に通わなくても「義務教育を修了したと認める」というもので、不登校の子にメリットがあるように見えるのですが、従来通りであっても、学校に1日も行かなくても小中学校の「義務教育の卒業」は認められます。
この法案の問題点は、大きく2つあります。
1.この法案が通ると、学校に行った子は「卒業認定」、フリースクールや自宅での学習では「修了認定」と分けられることになり、ますます不登校に対する差別が強まります。
2.保護者がフリースクールや自宅での学習内容や方法を「個別学習計画」にまとめ、これが市町村教委に認定されれば、学校に通わなくても「義務教育を修了した」と認められるのですが、それは市町村教委に認定されるという「条件付き」となっています。
これでは、自宅での学習内容を誰がどのように作成するかという点で保護者はかなりの負担を強いられることになります。
第2の学校を作ることと同じことになるために、不登校の子が安心して過ごせる居場所にはなりません。
さらに、儲け主義に走るいいかげんなフリースクールの登場によって、まともなフリースクールまでもが今以上に偏見の目でみられる危険性も出てきます。
法案の試案が基本理念として挙げている以下の点は評価できます。
・全ての子どもが安心して教育を受けられる学校での環境の確保
・不登校の子の個別の状況に応じた支援
・義務教育段階で普通教育を十分に受けられなかった人の教育を受ける機会の確保
・必要な財政措置をとり、不登校の子の学習支援をする施設の整備などを国や自治体の努力義務に盛り込む
・フリースクールなど学校以外の場での多様な学習活動の重要性や休養の必要性についても触れる
不登校の子どもだけでなく、すべての子どもが普通教育を受けられる機会や環境を整備することは教育基本法にも明記されています。
しかし、現実ではそれが十分できているとはいえません。
・不登校の子の「学校復帰」を目指す法律になってはいけない
・「卒業認定」と「修了認定」というように差別を助長するような法案にしてはいけない
・学校以外にも学習の場があると法的に認め、学校に行かないことで偏見の目で見ない
・子どもの教育のありかたには、様々な形態や場があるとすべての人が理解する
このように、“子どもの権利条約”の4つの柱である、子どもの「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」が保障される法案にしていかなければなりません。
現法案は白紙撤回して、0から議論を進めていくべきです。
義務教育 フリースクール容認断念…慎重論多く(毎日新聞)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-教育

執筆者:

関連記事

どこの学校にも僕ら以上に辛い思いをしてる子がいる

「こんな普通の事も出来ないなんて、もう自分なんかダメだ」 そう思っていた。 学校に行けなかった小学校6年生から中学校3年生までの間、ずっとつらかった。 今、こんなに人生を楽しんで生きていることを知った …

学習障害は学習の仕方や評価のものさしを工夫することで「障害」ではなくなる

学習障害は、学習の仕方や評価のものさし、使う道具を工夫することで「障害」ではなくなります。 みんなが同じ方法や評価基準で測定しているために「障害」と見られています。 その多くは才能あふれた人なのに、文 …

不登校の生徒を専門に受け入れる中学校が名古屋にあります

「学校だけが全てではない」とはいっても、やっぱり学校に行きたいという子どもたちは多いです。 不登校の生徒を専門に受け入れる中学校が名古屋にあります。 教育方針は ・共感理解教育の実践 ・学ぶ楽しさを体 …

「児童思春期病棟」で不登校で悩む子どもの「入院診療」?恐ろしい取り組み

ありえない! とうとうこんな怖ろしいことが! 磐田市の精神科病院が4月に児童思春期精神科専門病床を備えた「児童思春期病棟」を開設し、不登校で悩む子どもの専門的な「入院診療」に取り組むという。 磐田・福 …

所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる

自分で新しいものを生み出すには教えないこと、覚えないこと、常識に縛られないことにも書きましたが、小学生が大人になるころには今ある仕事がなくなって誰も想像していない仕事がたくさん生まれています。それは学 …

スポンサーリンク

スポンサーリンク
21世紀の松下村塾 教育相談無料