不登校は親(母親)のせいではありません。
不登校は「本人が登校の意思と必要性を感じていながらも、何らかの理由で学校に行けない状態」を指しています。
これは、怠けているのでも意図的なサボりや非行、遊びによる不登校とは関係ありません。
「不登校の原因は親にある」という考え方には、私は反対です。
「子ども本人に問題がある」という意見にも賛同しかねます。
不登校経験のある子どもや親御さんからの話や、数多くの事例を書籍などで目にしてきた結果、どう考えても親だけに原因を押し付けるには無理があるからです。
不登校を長引かせているのは学校の評価と対応のまずさが要因
また、私の経験からいえることなのですが、不登校の状態を長引かせているのは、学校の評価の仕方と子どもへの対応のまずさもあると考えています。
特に、不登校傾向になりかけたときの学校側からの初期対応が大きく影響しているように思います。
「子どもが学校にいけなくなるのは親の教育、育て方に問題がある」という意見を唱える人は、おそらく不登校のことに関して真剣に学んでもいないし、真剣に取り組んでもいません。
不登校はその数があるだけ原因と背景があります。
それを一緒くたにして強引に誰かの責任として押し付けるのは、不登校の問題を蔑視しているといえます。
多くの事例を見れば見るほど不登校には様々な背景があり、無理やり一つの理論に当てはめるのは限界があるのです。
どんな子どもにも起こり得るのに、それを母親一人の責任として押し付けるのはどう考えても無理があります。
「親が不登校の原因となっている」のは虐待や育児放棄などの極端な場合のみです。
私は、学校の不登校への理解のなさと間違った対応がますます子どもを追い詰め、ますます学校へ行きにくくなっていると考えています。
そのような考え方を変えていくには、目の前の状況をすぐによくしたいと焦ることなく地道な取り組みが必要になってきますし、不登校への理解の輪を広げていくことも大切です。
そのためには、親が一つひとつ「できることをしていく」しかないと思っています。
一歩、一歩進んでいくしかありません。
そこで忘れてならないことは「子どもの思いを受け止めて」動くということです。
親の考え方を一方的に押し付けたり、周囲の目の評価を気にするのではなく子どもの思いを受け止めて、そのときどきに「できることをしていく」ことが重要です。
親はまず子どもの話を聴くこと、そしてそれを最大限に尊重することです。
多くの親は「自分のさせたいこと」ばかり子どもに期待しています。親の期待と子ども本人の想いにギャップがあることを知りましょう。
だから、子どもから要望が出たときに、親は初めてサポートしたらいいです。
子ども本人は何も気にしていないのに、親の方が気にし過ぎているというケースも多いです。
大丈夫じゃないのは親の方だという場合も多いです。
子ども本人は親のそういう姿を観て悲しんだりイライラすることがあります。
親は子どもを変えることはできません。変えることができるのは親自身、自分だけです。子どもを変えようとするからダメなんです。
親の考え方や言動、態度が変われば子どもも変わります。「変わる」というか「子ども本来の姿」を取り戻します。
次は、「義務教育とは学校には行くことではない」という話をします。