斎藤環さんの著書『オープンダイアローグとは何か』(2015年6月・医学書院刊・斎藤環著・訳) を読みました。
こちらのサイトにエッセンスが分かりやすくまとめられていたので紹介します。
「オープンダイアローグ」という「魔法の鍵」
斎藤環さんの紹介する「オープンダイアローグ」は、家族と共に専門家チームとの対話を重ねることで、治療の難しい統合失調症のクライアント(患者)でさえ危機的状況を抜けることが出来て快方に向かう。
オープンダイアローグは、1対1の治療ではなくセラピストチームで行なわれる。
ケロプダス病院には、医師8名、心理士8名、看護師68名がいて、相談の電話が入ると、その電話を受けた人が責任を持って治療チームを編成して、24時間以内に初回のミーティングが行なわれる。
ミーティングには、ファシリテーターはいますが、対話を方向づけたり先導したりするような「議長」「司会者」は存在していません。セラピストたちは専門家ですが、患者や家族と同じように発言し、傾聴します。「専門家が指示し、シロウトが従う」という図式ではないのです。日常生活についてのささいな発言であっても、必ず応答するのが原則です。
対話の目的は「合意」「結論」に達することではないということも注目に値します。この場で顔を合わせているメンバー相互の異なる視点がつながることが重要で、合意や結論は副産物と見なされています。また、語られる妄想について、頭ごなしに否定したり、発言を遮断することは慎むべきだといいます。
重要な原則は、本人抜きではいかなる決定も方針も出さないという点にあります。薬物や入院、そして治療に関する決定はすべて、本人がいる対話の場で決められるということです。
【大竹まこと×斎藤環×辺見えみり】 オープンダイアログ
『オープンダイアローグ』
フィンランドにおける精神病治療への代替アプローチの 『開かれた対話』
対話だけで精神病が回復する…「オープンダイアローグ」とは何か
「オープンダイアローグ」とは=対話で精神病からの回復目指す