教育

文科省「不登校に関する実態調査」平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書

投稿日:2018年11月1日 更新日:

実は文科省が「不登校に関する実態調査」で不登校のきっかけについて「当事者への調査」を平成18年度に実施し、平成26年には不登校生徒に関する追跡調査報告書をまとめています。
この報告書は不登校理由も多様化・複雑化していることから、改めて「不登校に関する実態調査」を実施し、不登校当時の状況、心境、必要とした支援や現在の状況、心境、必要とした支援などの追跡調査を行い、不登校の未然防止や不登校児童生徒への必要な支援の在り方等を検討する上での基礎資料とするために実施したものです。
以下のような内容となっています。
・学校を休みはじめた時のきっかけ
・不登校継続の理由
・中学校3年生時の施設の利用状況・相談した人
・中学校3年生時の休んでいたときの気持ち
・不登校による不利益・不当な扱い
・不登校による苦労や不安
・自分の将来の夢や希望
など


文科省「不登校に関する実態調査」平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書
(不登校生徒に関する追跡調査研究会 平成26年7月)
鳥取県 平成30年度第1回いじめ・不登校対策本部会議の概要について」によると

◆不登校問題について
これまでも様々な取組をしてきており、学校もしっかり対応しているが、不登校が減らない現状を見ると、子どもたちへの支援が年々難しくなってきていると思われる。
「鳥取県の不登校の要因について”幅広く”分析を行った結果、主な要因としては学校における組織体制作り、SC・SSWとの連携の難しさ、家庭・学校における生活習慣(早寝、早起き、朝ご飯等)や規範意識、自己肯定感の育成に関わるものが考えられた。」
小中学校課「家庭内会話率の低さが不登校の要因だと納得した。」

とあります。
しかし、子どもの支援のニーズには「規則正しい生活習慣についての指導」を求めている者は1割もありません。
「勉強、進学、就職の手助け」や「悩み相談」「居場所創り」がそれぞれ2割~3割あります。
さらに「不登校問題について」という表現にある通り、「不登校は問題である」という認識を払拭しないままの報告となっていることも「問題」です。少なくとも私はこの報告をそのように受け止めました。
昨日10月定例教育委員会が開催され、近々平成29年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」が公表されるので、その内容がどうなっているか注目したいと思います。
鳥取県教委の不登校の要因分析と対応につては鳥取県教委の不登校対応は「不登校1名減の取組み」が目標ですか?に書いています。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-教育

執筆者:

関連記事

日本の学校で要求されることは「空気を読むこと」で超閉鎖的な社会

今の日本の学校は画一主義だけではなく、超閉鎖的な社会となっている。 そこで要求されることは「空気を読むこと」。そのために、子どもも教員も全てのエネルギーを使い果たしているという、世界から見たら哀れな世 …

コミュニケーションが苦手な子ども向けのスマホアプリの紹介

コミュニケーションをとるのが苦手な子どもが増えているといわれます。 集団の中で溶け込めなかったり、一人でいるわが子を見て心配している親御さんも多いと思います。 最近の日本ではやたら「空気が読める」「コ …

教員から黒染めをするよう強要「茶髪で生まれたら普通じゃないの?」

髪の毛が生まれつき茶色いにも関わらず、教員から黒染めをするよう強要され、精神的苦痛を受けて不登校になったとして、大阪府立高校の女子高生が府に対して起こした裁判が、議論を呼んでいます。 髪の毛の色だけじ …

文科省・鳥取県教委の考える「不登校児童生徒を支援する上での基本的な姿勢」

平成28年9月14日に文科省から県教育長宛に出された通知があります。2年前のことです。 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知) 「不登校児童生徒を支援する上での基本的な姿勢」として ・不登校を …

児童虐待への対応、行政職員は丸腰 スキル磨けぬ仕組みが問題

今、この瞬間も子どもたちは苦しんでいるのに ・国の施策は穴だらけで肝心なところは現場任せ ・虐待にきちんと対応できない構造的な問題を ・児相は人手が足りず、専門性もない ・児相を国の機関にし、児童福祉 …

スポンサーリンク

スポンサーリンク