昨年、鳥取市の特別支援学校「鳥取県立鳥取養護学校」で児童生徒の医療的ケアを担う看護師6人全員が辞職し、一部の児童生徒が登校できない異常事態が起きました。
鳥取県教委は今年1月、鳥取養護学校には常勤看護師を配置し、4月からは常勤となることが決まっています。
しかし、この決定もはなはだ不安定で、常勤看護師の配置が難しい状態が続いています。
子どもの命を預かる特別支援学校の職員配置すらきちんとできないのが鳥取県の教育界なのです。
これは、特別支援学校や特別支援学級に限ったことではなく、学校現場で様々な困難を抱えている子どもたちへの支援が十分だとはいえません。
一人ひとりに応じた環境整備もできていないだけでなく、人的配置が全く疎かなまま、困っている子どもたちが「放置」されているのが現状です。
学校現場では教職員の仕事の負担は増えていく一方で、丁寧な子どもの支援をしたくても手が行き届いていない。
教育に熱意をもっている者もいますが、時間的、物理的に1人の教員のできることには限界があります。
県教委からは「現場で対応するように」と、教員の置かれた実態を無視した指導が行われています。
さらに、今の鳥取県でその子どもたちを支えているのは、保護者です。
保護者が自分の仕事に優先して時間をやりくりしながら、ボランティアで子どもたちのサポートを行っています。
国では教育行政は、教育予算の縮小、教職員の削減の方向で進んでいます。
このようなことでは、今後も特別支援学校の職員配置は十分になされない心配があります。
現場の教員も保護者も苦しんでいます。
子どもたちはもっと苦しんでいます。
国からの予算配分を期待するのではなく、「子育て王国とっとりけん」として、教育に対する特別予算を確保すべきです。
他のことは先送りにして、早急にこの問題の解決にあたってほしいものです。
鳥取県立鳥取養護学校の体制十分か、支援学校の医療的ケア 命と教育守る、国の責任重く
http://mainichi.jp/articles/20160210/ddf/012/100/027000c
鳥取県立鳥取養護学校の常勤看護師の配置が難しい理由
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執筆者:azbooks