「2020長野の子ども白書」が届きました。
今年のテーマは「すべての子どもに豊かな子ども期を」で、多方面の多くの人が執筆されています。
いじめ、不登校の低年齢化がどんどん激増しているというのが今の日本の実態です。
小学校4年生の4人に1人が「生きるのがつらいと思うことがある」と回答しています。
子どもたちにこんな思いをさせているのは、私たち大人の責任です。
今子どもたちに最も必要なことは、「自由な時間の保障」です。
子どもは「自分の人生の主人公」です。子どもは将来の人材ではなく、今を生きる主人公です。
競争や同調圧力によって、序列化や排除、差別が生まれます。そんな社会の中で子どもたちが「生きづらさ」を抱えています。
それを解消していくために、教育行政はもちろん、子どもに関わる「すべての大人」の責任として行動をしていかなければなりません。
この白書は多くの人たちの想い、そしていろんな活動事例がたくさん載っていて、とても参考になることばかりです。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたいと思います。
『17歳で逝った息子』とその母が伝えたいこと
2016年に発達障害の息子(17)が自ら命を絶ったことについて、長野県内に住む50代のお母さんが手記「『17歳で逝った息子』とその母が伝えたいこと」を書いておられます。
5月27日発売の「2020長野の子ども白書」に4ページにわたり掲載してあり、「いろんな葛藤があったが、息子のように苦しんでいる人を助けたいという気持ちで手記を書いた」と語っっておられます。
これは、「専門職」としての教員の資質が欠けています。
大切なことは、特性の理解とその子に合った適切な対応です。
一人ひとり違うのが当たり前なのですから、その対応のしかたも一人ひとり違うのが当たり前なのです。
学校が再開して、さらに制限が厳しくなり、「みんな同じ」にすることが優先され、個を排除するような対応にならないよう願います。
成績優秀、スポーツ万能、でも気持ちの切り替えが苦手 診断は…
生まれた時から元気いっぱいの男の子だった。お笑いが大好きな人気者で、Jリーガーになることを夢見ていた。だが、幼少期から「じっとできない。空気が読めない。忘れ物が多い」と言われ続けた。小学校の担任から苦情を言われることもあり「先生に倉庫に閉じ込められた」と漏らしたこともあった。
「みんなが俺に注意してくるけど何でか分からない」。しょっちゅう先生に叱られるあまり、口数が極端に減り、小4から不登校となった。医師に相談したところ、「広汎(こうはん)性発達障害」と診断され、こだわりが強いことなどの原因が障害の特性であることが分かった。障害への合理的配慮を求めて診断書を担任に提出。「叱責よりも支援が必要だ」と訴えたが、特に学校は何もしなかったという。
担任から「何で急に来たのか」
学校に行きたくても行けなくなり、自分を責めるように。だが、小6になって「友達に会いたい」との思いが強まり、勇気を出して登校したところ、当時の担任から煙たがられた。「後で給食費は請求しますが、何で急に来たのですか」と自宅に電話がかかってきた時のことは、今でも鮮明に覚えている。
小4~6年までの担任は、40代の強い指導をする男性で、「もう学校へ来るな!」などの暴言を吐くような人でした。息子は周りの空気が読めず、遊んでいると不意にみんなから注意されるようなことがあってもわけがわからず、とても困っていました。
担任に伝えても、見た目が普通で勉強はできる息子の態度がわがまま、怠けと誤解されていたと思います。また先生の叱責すべてが自分の事だと感じて、恐怖からいつも緊張して目の下にクマを作り体にヘルペスができても頑張って登校していました。
やがて息子は追い詰められたように「自分でも何でかわからない」と休みがちになり、小4で不登校になりました。息子は突然フラッシュバックに襲われ、何かにおびえるように頭を抱えました。
「わがまま、怠けていると誤解された」息子の障害 命がけの訴えを手記に
鳥取県でも長野県の取り組みに習いたい
長野県では、民間主導による官民協働の不登校支援ネットワークから始まった取り組み「不登校を考える県民のつどい」を10年間続けてこられました。そして、県内外の多くの団体とネットワークを作り、子どもを取り巻く問題の解決に向けて行動し続けておられます。
です。
そして、長野の子ども白書は創刊から9年目になるそうです。子どもを真ん中に置いた素晴らしい取り組みだと思います。
鳥取県では今年も第3回の県民のつどいを開催する予定で準備を進めています。
長野の子ども白書は、2012年から毎年5月に刊行されていて、1900円(送料370円)です。
2020長野の子ども白書は長野の子ども白書のサイトから注文できます。