日本の公教育は子どもの可能性をつぶし、教員のやる気を失わせているように見えます。
各学校、各学級にはそれぞれの学校教育目標、学級目標があります。
しかし、実際にはそれに向けた真逆の実践がされているように私には見えます。
「生きる力を養う」「主体性を育てる」「考える子どもを育成する」「生き生きした学校生活」
これとは真逆な子どもにしようとしか思えません。
学校のシステムを変えること、教育を変えることは子どもたちの未来への可能性を広げることです。
子どもたちの持っている可能性を生かすも殺すも教育のあり方にかかっています。
そこで、うちの塾主催で定期的に学びたいを実現する学校創りやオランダの教育について勉強会をしています。
無料で出前勉強会もしています。
これは「不登校」の子どものためではなく、「すべて」の子どものためです。
私は鳥取県で学びの形を変えていきます!
いっしょに学びたい方、ぜひご連絡ください。
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小野寺玲さんのオランダの学校教育視察
オランダの教育事情
教育がうまくいっているかを見るには、最終的にどのような社会を作れているかを見るのが良いと私は思います。そういった観点から、経済的、精神的に極めて豊かな社会を作り上げているオランダに興味を持ったのです。
視察の話に戻ります。私がある小学校で階段を上がっていくと、エアロバイクのようなものを漕ぎながら学んでいる女の子がいました。話しかけると、さっそうとした表情で「これは私みたいな落ち着きがない子供のためのものなの」と。見回してみると、廊下で1人で学ぶ子供、教室でヘッドホンを付けている子供、誰かに教えてもらっている子供。多様な景色が広がっていました。
科学的にも、子供一人ひとりの育ち方は違うと分かっています。同じことを、同じ方法で、同じペースで学ぶことはできません。静かな環境で集中できる子供もいれば、体を動かしながら学ぶのが合っている子供もいます。ゆっくり学ぶことで効果的に学べる子供もいれば、早く進める子供もいます。
オランダでは1970年代から教育の個別化改革が始まり、今では一斉授業は非常に少なくなり、個別に異なる学び方をしています。子供一人ひとりが教員と相談しながら自分の時間割を決め、自分がパフォーマンスを発揮できる方法で取り組んでいます。
子供の個別性を大切にする。それはすなわち、それ以外のところをどれだけ効率化できるかと裏表です。テストは基本的にパソコンで行い、自動で結果が返ってきます。教員は採点をしません(教員が文章で評価を返す学びももちろんあります)。各学校にはアプリがあり、保護者へのお知らせも、保護者からの休みの連絡もアプリで行います。
どの教室にもタッチ式の電子黒板、子供の学習をマネジメントするITシステム、総合的学習のための山ほどのプログラム。しかも現場が大きな予算を持ち、何に使うのかを決めています。オランダには、現場の教員を応援し、そのことによって子供を応援するシステムがあります。
私達の社会において、教育をさらに良いものにしていくために必要なものは何でしょうか?もちろん細かな手法から学ぶこともありますが、根本的に大切なのは「学校を信頼すること」だと私は思っています。
私達の社会は、学校不信社会です。学校に自由度が少なく、教科書も検定で、現場が使える予算も乏しい。そして、現場を管理するために、上からたくさんのものが降ってきます。大阪では、生徒の学力を教員の給与に反映するという議論まで起きています。学校不信はややもすれば、学校管理の方向へと流れ落ちていきます。
「日本の教育は子供に対して管理的だ」という表現がありますが、社会も学校に対して管理的です。入れ子構造の内側に学校は閉じ込められています。
教員というのは本来、極めて創造的で、楽しい仕事だと思います。子供たちが安心し、学びのパフォーマンスを最大化できるように支援する役割です。正義とは何かを考え、作っていく場でもあります。しかし、本来持っているそれだけの価値を認められ、任される構造にはなっていません。
学校には、まだまだ素晴らしい可能性があります。その可能性を切り開く力に少しでもなれるように、私は教員の方々と対話し、応援し、社会に発信していきたいと思っています。