この全体像は「心のエネルギー曲線」と同じような過程を示した図になっています。
子どもと親が今どの階段にいるのかが分かれば、現状把握と先の見通しも立てやすくなります。
不登校やひきこもりのメッセージを周りの人がどう受け止めるかによって生き方が決まってきます。
ひきこもっている人に「これからどうするの?」「仕事は?」と聞いても答えは返ってきません。
親はそんなわが子に、「何も考えていない」「先の見通しが持てない」と失望するのではなく、その「段階」を知り、スモールステップでできることを増やしていきます。
そして、階段を一段ずつ上りながら(私は「進みながら」の方が適切だと考えています)本人が小さな目標を達成していくことで自信が持てるようになります。
この小さな体験の積み重ねによって、親子ともども気がかりだった将来が少しずつ見えてきます。
社会の中で生きづらいのは、「存在評価」(Being いる・ある)が小さくなり、「業績評価」(Doing する・できる)の方が大きくなっているためです。
学校や職場での評価は、「その人そのもの」の価値を認めるのではなく、「何かができた・できなかった」で評価しています。
「今、ここにいる」こと、存在していることに価値があるという捉え方をすれば、個人の評価の仕方は随分違ってきます。
評価の仕方が変われば対応の仕方や関わり方も変わってきます。
本人の良さ(価値)が自覚できるような評価をすれば、それが自信となり前向きな生き方ができるようになります。
対人関係が苦手だという人の多くは本人の理由というよりも周囲の人たちの関わり方に問題がある場合がほとんどです。
さらに、ひきこもりの解決の形も就労という働くスタイルだけでなく「自分らしく生きる」という自己決定ができるようになることです。
社会参加、はたらく形も人それぞれですから、必ずしもどこかの職場に所属するということだけが働くことではない、様々な形での社会参加の形があるということも知っておくことが大切です。
そして、私たちのできることはそのような多様な生き方に対応できる場(フィールド)を増やしていくことです。
あきらめない!ひきこもり脱出の「方程式」
ひきこもり脱出の「方程式」で現状把握と先の見通しをもつ
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執筆者:azbooks