全国の公立学校で2558人の「教員不足」が明らかとなった。
今回が文部科学省の初の実態調査だというのも情けないことだ鳥取県では全国初の30人学級の導入と自慢げにしているが、学校現場ではまったく人手が足りていない。
その要因をまとめました。
「明日の始業式に担任がいないクラスがあるのですが・・・」
このような事態は全国的に発生しています。
鳥取県でも同じようなことが起きていて中学校や高校の免許状しかない者に「小学校の臨時免許状」を与えたり、「養護教員免許状」を与えたりして、臨時的、一時的な資格とする制度があり、それでようやく教員を確保しているという実態があります。
新規採用教員は3月時点ですでに学校配置が決まっているし、教員を希望する者は「講師登録」をして出番を待っていますが、その確保も十分とは言えない状態です。
学校はすでにパンク寸前状態
学校現場では手持ちの教職員が担任や校務を掛け持ちしてなんとか対応している(短期間の間だけでもしのいでいる)という実態があります。
つまり、「正式な担任の不在」ということです。
ただでさえ職員が足りていない現状のなかで、さらに教員が一人減ることによってその他の職員の負担は増えていきます。当然仕事量も増えるために時間外勤務が必要になります。もちろん、子どもたちや保護者対応は最優先で行われますので、明日の授業の準備は深夜まで終わりません。
教員の急な病気や事故などで長期休職になるケースもあるので、講師としていつでも学校に配分するために補助教員の確保はされていますが、教育委員会の確保が足らないために学校長が個人的に人を探して依頼する事例も少なくありません。
子どもたちにとっては「正規教員」も「非常勤講師」も「臨時教員」も「先生」です。
子どもたちの前に立ったら、先生です。
学校はすでにパンク寸前状態で、とにかく教員の数が足りていません。
にも拘わらず、この4月から新しいことが次々と増えていきます。
やらなければならないことがどんどん増えていきます。
ある自治体では、公立小学校で4月から始まる「英語科」を担当できる教員がいないので、ボランティアで保護者に教壇に立ってもらうという、本末転倒な事態まで起きています。
これで学校教育にまともに対応できるでしょうか?
学校の仕事量はどんどん増えている一方で、教員はどんどん減らされる。
これでは教員は疲弊するばかりで、ゆっくりと一人ひとりの子どもと向かい合う時間的ゆとりなど作れるはずがありません。
明日から学校が始まるところが多いようですが、このような事態を早急に解決する必要があります。
解決する方法は2つ。
・学校の仕事を減らす
・教員の数を増やす
教員の役割分担や仕事量を減らすしか解決できません。
教育職員免許法の内容
これと関連した教育職員免許法についてまとめました。
教育職員免許法4条(種類)
4 臨時免許状は、学校(中等教育学校を除く)の種類ごとの助教諭の免許状及び養護助教諭の免許状とする。
教育職員免許法5条(授与)
6 臨時免許状は、普通免許状を有するものを採用することができない場合に限り、(略)教育職員検定に合格したものに授与する。ただし高等学校助教諭の臨時免許状は、次の各号のいずれかに該当する者以外のものには授与しない。
1 短期大学士の学位又は準学士の称号を有する者
2 文部科学大臣が前号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者
教育職員免許法9条(効力)
3 臨時免許状は、その免許状を授与したときから3年間、その免許法を授与した授与権者のおかれる都道府県においてのみ効力を有する。
教育職員免許法9条の2(有効期間の更新及び延長)
免許管理者は、普通免許状又は特別免許状の有効期間を、その満了の際、その免許状を有する者の申請により更新することができる。