教育

不登校の問題は「本人の問題」ではなく「学校の問題」

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昨日の日本海新聞に「児童の不登校率過去”最悪”」と出ていました。
この書き方はおかしいです!
”最悪”という表現は「不登校は悪いこと」という認識があるために「悪」という書き方になっています。
「不登校=選択肢のひとつ」なのですから、”最高”という表現が正しいです。
なので、「児童の不登校率過去”最高”」が正しい書き方です。
新聞によると、「いじめ・不登校対策本部会議」では「家庭環境も影響している」という意見が出たといいます。
「学校に関わること」も出たと思いますが、具体的にどのような意見が出されたのか、もっと詳細を知りたいです。
会議のメンバーの不登校についての認識と理解がどうなのかも知りたいです。
平成25年度の報告「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」では、不登校になったと思われるきっかけが「本人に関わること」に入る原因が約80%で、その中身は「無気力」25%、「不安など情緒的混乱」28%といいます。
このような、「不登校は本人に理由がある」という「決めつけ」もまた間違いです。
「他の子は学校に行っているのに、その子は学校に行っていない。その要因は本人にある。」という考え方は間違いです。
たとえ「本人に関わること」だとしても、その要因を作ったのは「学校」にあるという認識が必要です。
不登校の問題を「本人の問題」という風に捉えずに、「学校の問題」と考えて、学校環境や教員の関わり方を変えていくことの方が大切です。
そもそも「無気力」「情緒的混乱」に陥っているのは、学校に問題があるからです。
学校以外のところではいきいき元気に過ごしている子どもが、学校に行くとそうでなくなるのですから、学校に問題があるのです。それを「本人に関わること」とする見方はどうみてもおかしいです。
「無気力」「情緒的混乱」にならないような学校づくりや学級づくり、授業づくりをしていくことが必要なのです。
学校がその子が過ごしやすい環境になるよう整えること、現状では無理な場合は、学校以外の選択肢を用意することをしていく必要があるのです。
不登校の子どもたちは「”学校”への不登校」という選択をしているのですから、”学校”以外の選択肢ができれば「不登校」ではなくなります。
それが、唯一の「不登校の解決」です。
すべての子どもに必要なのは、自分に合った場所です。
その場所が保証されれば、誰もが生き生きとした過ごし方ができます。
「学校だけが学びの場ではない」ということは、すでに多くの人が感じていて、自分に合った場で学び始めています。
鳥取県教育委員会は、
「・不登校は学校の教育方針・生徒指導に対して、強い抵抗感や不信感がある場合が多い。
・「不登校は「困ったこと・悪いこと」というネガティブな見方から、この子どもにとっては「必要なこと・大事なこと」というようにポジティブな見方に変えていくことが重要。
・学校は「子どもが困らないようにする」ための場所づくりである。」
として、各学校で「子どもに寄り添った支援」に取り組むようにはなりました。
ひと昔前の不登校の捉え方から考えると一歩進んではいると思います。
しかし、「では、学校は何をすべきか」という具体的な改善には至っていませんし、その対応も十分ではなく、「場」の設定は全くといってできていません。
現状の学校体制だけで受け入れるのはすでに限界に来ていますから、もっと人を投入して、日常的にいろいろな「場」と連携していくことが必要です。学校側も努力はしていますが、学校だけで変えようとするのは不可能といってもいいです。
また、不登校の相談窓口は設置してありますが、多くの人が情報を共有できる場はありません。お互いに本音で語り合える本当の意味での連携はできていません。
「特別支援を必要とする子どもを語る会」のように、一般の人を対象にした「不登校児童生徒の明日を語る会」も行っていったらいいと思います。一人で悩まないでいろいろな人たちとつながりを作っていくことで、未来がはっきりと見えてきますから。
あと、不登校で悩んでいる子どもや親御さんへ
親子や家族だけで悩んでいては自分たちで自分たちを苦しめるだけです。
誰かに相談することが大事です。信頼できる第3者に相談することによって、考え方・見方が変わり、具体的な方向も見えてくるはずです。
不登校は悪いことではありません。
不登校もあなたにとっての「選択肢」のひとつだと考えましょう。
相談できる場は公的な機関や民間の施設など様々ありますが、その場のひとつが「親の会」で、鳥取県内にも各地にあります。
まずはどんな雰囲気なのか、どんな話をしているのか一度覗いてみてはいかがでしょうか。
「不登校児」がいるのではなく、本人に合った環境がないだけ。不登校の本当の原因はどこにある?

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