国民の危機は、今ここにある!
「国を守るとは、どういうことか」
法政大学教授の田中優子氏が、日本海新聞の論説(2013.9.1)で、「何から」「何を」「どのようにして」守るのかということを述べている。
ほとんどの国民は「国を守る」とは他国からの武力行使から武力を使って「国家」を守ることだと思いこまされている。
周辺諸国からの危機から日本という「国」を守るために日本も武力を強化し、集団的自衛権を行使するために「国防軍が」必要なのだと。
改憲派の政治家の理論もそうでらう。
一体、「国」とは何か?「国家」とは何か?
いうまでもない。ひとことで言えば、「国土」と「国民の命」だ。
もっとも、「国」という概念があるから国と国との衝突が起こる。
戦国時代の世界と日本も「くに」を守るために「くに争い」が生じた。
「国」という概念がなければ、「国争い」そのものが生じないのである。
では、「何を」守るのか、「国土」と「国民の命」を守るとはどういうことか?
それは、人間の「生活の場」と「人間の命の尊厳」人としての当たり前の「人権」を守るということだ。
「国土」を「生活の場」、「国民の命」を「人間の命の尊厳」と「人権」と言い換えただけであるが、これこそ「守るべきもの」である。
次に「何から」守るのかということだが、それは人としての「生活の場」「国民の命」「人権」を妨げているものから守るということである。
この中には現状としての武力行使による危険も含まれているが、それだけではない。
いや、それ以前に「生活の場」「国民の命」「人権」を妨げているものが存在している。
そもそも、憲法で保証されている「基本的人権」が守られていない。
原発事故という”人災”を本気で解決しようとする気もない政治家と「国家権力」によって生活の場を奪われ、生きるための権利を奪われ、日常的な人権損害が行われているということこそが「大きな問題」なのである。
さらに、それを「どのようにして」守るのかである。
周辺国の驚異から武力を使って守るという図式は、いかにも簡単で分かりやすい。
「敵」を作ることで「防衛」という概念を作ることができる。
しかし、「武力は行使することが目的ではなく、持つことが抑止力になる」という政治家の理論に騙されてはいけない。
これは「大きな問題」の解決をごまかすための隠れ蓑に使われているということに気づいて欲しい。
最優先で解決すべき「大きな問題」「守るべきもの」とは何か?
田中優子氏は、「原発の放射能汚染、被災者の命と生活、米軍基地を抱える沖縄県民」だという。
これには、全く同感である。今本当に取り組むべき「国の大問題」だといえる。
100兆円にもなる平成26年度予算案概算要求が出されたが、これが「守るべきもの」のために使われているのかしっかり見ていきたい。
「国土」と「国民の命」を守るとはどういうことか?
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執筆者:azbooks