「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、2020年3月15日付アメリカTIME誌に「人類はコロナウイルスといかに闘うべきか――今こそグローバルな信頼と団結を(原題:In the Battle Against Coronavirus, Humanity Lacks Leadership)」と題した記事を寄稿しました。
この歴史は、現在の新型コロナウイルス感染症について、何を教えてくれるのだろうか?
(以下、本文より)
人類はコロナウイルスといかに闘うべきか
「人類が感染症との戦いに勝ち続けてきたのは、病原体と医師との間の軍拡競争で、病原体がやみくもな変異に頼っているのに対して、医師は情報の科学的分析を拠り所としているからにほかならない。」
「科学者たちはわずか2週間で新型コロナウイルスを見つけ、ゲノムの配列解析を行ない、感染者を確認する、信頼性の高い検査を開発することができた。」
「今日、人類が深刻な危機に直面しているのは、新型コロナウイルスのせいばかりではなく、人間どうしの信頼の欠如のせいでもある。」
「国境の恒久的な閉鎖によって自分を守るのは不可能であることを、歴史は示している。」
「真の安全確保は、信頼のおける科学的情報の共有と、グローバルな団結によって達成される」
「人間どうしが争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなることだろう。」
「今回の危機の現段階では、決定的な戦いは人類そのものの中で起こる。もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不信を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。人間どうしが争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなることだろう。」
出典:『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、 “新型コロナウィルス”について(TIME誌に緊急寄稿)
2020年3月20日付のイギリス経済有力紙FINANCIAL TIMESに「新型コロナウイルス後の世界―この嵐もやがて去る。だが、今行なう選択が、長年に及ぶ変化を私たちの生活にもたらしうる(原題:the world after coronavirus ― This storm will pass. But the choices we make now could change our lives for years to come)」と題した記事を寄稿しました。
“今、人類に迫られている選択”、“この危機を乗り切った後、私たちが身を置く世界”
ユヴァル・ノア・ハラリ氏「新型コロナウイルス後の世界」とは? (FINANCIAL TIMES紙記事)
『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏の寄稿「新型コロナウィルス”について」
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執筆者:azbooks