鳥取県教委は新年度、生徒や保護者がスマホや携帯電話を使っていじめの情報を学校に通報できるアプリシステムを、県内「3中学校で試験導入」するらしいです。
身近なツールをいじめの早期発見につなげるのがねらいです。
しかし、これには疑問だらけです。
・なぜ、 県内3中学校だけで試験導入なのか?
・いじめの通報を実験するってこと?
・このアプリは受信のみで返信はできない。通報を受けてからどう対応するのか?
・そもそもいじめの訴えができないのはなぜか?それを解決しなくてはダメ。
・形だけの「いじめアンケート」で調べても意味がない。
・いじめがあってもそれを見て見ぬ振りをする。なかったことにする教育関係者に相談できるはずがない。
・教員は多忙なので児童生徒と関わる時間が取れない?それを最優先するのが教員の仕事なんじゃないの。
・命と人権に優先することなんかない。
・子どもたちはこんな大人にホントのことを話すはずがない。
いじめアプリねえ??
メール、SNS、LINEなどを通報のツールとして使うことは否定しません。
しかし、聴く側の姿勢がどうなのか?
名前を出して直接訴えることができないのはなぜなのか?
聴く側が信頼されていないのです。それをツールを使って解決しようとしているのでしょうか?
「助けて!」と言えなくしているのは誰なのか、発信する生徒の問題ではなく受け取る側の問題だという認識が必要です。
メール、SNS、LINEなどを通報のツールとして使うことは否定しません。
しかし、聴く側の姿勢がどうなのか?
名前を出して直接訴えることができないのはなぜなのか?
聴く側が信頼されていないのです。それをツールを使って解決しようとしているのでしょうか?
「助けて!」と言えなくしているのは誰なのか、発信する生徒の問題ではなく受け取る側の問題だという認識が必要です。
県教委いじめ・不登校総合対策センターが2016年度に受けた電話相談は97件あったが、メールは年々減り年間10~20県程度だといいます。それでいじめアプリの導入とのことですが、まったく本質の理解ができていないといえます。
この通報は各学校のいじめ対応担当教員が受け取るようになっていますが、名前を知らせるかどうかを含め詳細は各学校で決めるということです。
「なかなか言い出せない子どもの”声なき声”を拾いたい」というのですが、対応策はこういうことではありません。
県教委に寄せられた100件以上のいじめ相談にどう応え、具体的に解決に至っているのか?そういう情報も欲しいです。
何をもって「効果があったといえるのか」は、児童生徒が安心して毎日の暮らしを送り、学校生活が楽しいと感じているかどうかです。それは県教委が決めることではありません。
しかも、「試験的に」とは、馬鹿にするにもほどがありますよ。
「試しに使ってみて」ということですか?!
この「実験」これからも注視していきます。
「いじめ通報アプリ」を導入しただけでは、問題の解決にはなりません。
このアプリが効果を発揮するには、いじめが解決できるという信頼感がなくてはなんにもなりません。
大事なことは、子どもたちからの通報を受けたあとの具体的な対応です。
この根本的な問題を解決しなくてはアプリを導入する意味はありません。
「いじめはどこでも起こりうる」「いじめはあっても仕形がない」「いじめは解決できない」と諦めている、他人事だと考えている限り、アプリは役に立ちません。
電話、メール、アプリ、LINE、SNSなど通報や相談の方法は増えています。
しかし、どんな相談システムでも相談される側の長期的な「解決するまで関わるんだ」という強い姿勢が必要です。
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鳥取県教委のいじめ通報アプリ導入は疑問だらけです
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執筆者:azbooks